バジーノイズ(Blu-ray スペシャル・エディション)(川西拓実/桜田ひより [ 川西拓実 ]
評価:3
■ヒトコト感想
頭の中にある音楽を形にできればそれでよい。打ち込み式でコンピュータで音楽を奏でる清澄。一人さみしく海辺で演奏しているのを偶然見かけた潮。潮がSNSに清澄のことを投稿したことから話題となる。そこから清澄の周辺が騒がしくなる。バンドを組み、清澄の才能にすり寄ってくるものもある。
清澄の才能を逃がさないために、最終的には楽器とコンピュータに囲まれた小さな部屋に軟禁されたような感じでひたすら清澄は作曲し続ける。清澄の曲をあてにしてデビューしようとするバンドもある。こうやって才能は消費されていくのだろう。搾りかすとなった者は、才能が枯渇したと思われるとあっさりと捨てられるのだろう。音楽業界のすさまじさを垣間見るようだ。
■ストーリー
何もいらない。頭の中に流れる音を、形にできればそれでいい。そう思っていた清澄は、好きなこともやりたいこともなく、他人の「いいね」だけを追いかけてきた潮に出会う。「寂しくって、あったかい」清澄の音楽に初めて心を震わせた潮は、たくさんの人にそれを届けたいと、SNSでバズらせる。潮に導かれバンドを組んだ清澄が、仲間と音を創り出す喜びに目覚めた時、突然、潮が姿を消す。心に開いた空洞に、どう対処していいか分からない清澄を、音楽はさらに新たな道へと導こうとしていた──。
■感想
おとなしくひとりで音楽を作り続けることを希望する清澄。誰ともつるむことなく、ただひたすら頭の中に思い浮かぶ音楽を形にしようとする。打ち込み形式でコンピュータで音を奏でる。独特の雰囲気のある曲が生のベースやドラムと共演すると、より音楽の良さが際立つようだ。
清澄の才能に気づいた者は一緒にバンドを組んだりもする。ベースと清澄の曲はかなり相性が良いように感じた。そこからドラムが加わったりすると素晴らしいバンドのようになっている。
清澄の音楽は周りを引き付ける要素がある。そして、レコード会社のプロデューサーは清澄の才能を逃すまいとする。清澄本人の希望もあるのかもしれないが、ひたすら部屋にこもって音楽を作り続ける。
清澄の才能のすさまじさと、それをあえて旬だからと搾りとれるだけ搾り取ろうとする経営者側。売れる曲を作れる作曲家は、可能な限り曲を量産させたいのだろう。清澄はバンドから外れ、ひたすら軟禁状態で曲を作り続ける。現実の音楽業界でもありえそうな展開がすさまじい。
潮が一時的に清澄から離れる場面がある。清澄がひたすら成り上っているのを近くで見ている潮。そして、自分の立場を考え、あえて潮は距離を置いていく。売れた瞬間にそれまで付き合っていた女性を捨てるバンドマンはいるのかもしれないが、逆に女の方から離れていくパターンもあるのだろう。
まったく別世界に進んでいく清澄を見ているのは辛いのかもしれない。清澄の曲の不思議な魅力と、それに合わせるベースとドラムのこぎみよいテンポが良い。
音楽業界の闇だ。