バビロン [ デイミアン・チャゼル ]
評価:3
■ヒトコト感想
1920年代のハリウッド映画界を描いた作品。ラストの今までの映画の歴史をたどるような映像がでてくると、もしかしたら現代版の「ニューシネマパラダイス」のようなものをイメージしたのだろうか?ラストは感動的だが、それまでは昔の映画撮影がどれだけ大変かということが伝わってくる作品となっている。
若手の新人女優は自分をアピールすることに必死となる。映画の大スターは、それまでの人間関係から、駄作であっても参加せずにはいられない。プロデューサーは野心満点に動き出すのだが、思うようにいかない。ミュージシャンは自分の実力を思うように発揮できる場がなく苦悩する。強烈なのは間違いなく若手女優のはじけっぷりだ。
■ストーリー
サイレント映画の大スター(ブラッド・ピット)、若手女優(マーゴット・ロビー)、プロデューサー(ディエゴ・カルバ)、センセーショナルなミュージシャン(ジョヴァン・アデポ)、魅惑的でエネルギッシュなパフォーマー(リー・ジュン・リー)という野心的なキャラクターたちが、新たな時代に突入する激動の1920年代ハリウッドで、取り残されずに居場所を守ろうと奮闘する。
■感想
サイレント映画の時代のハリウッドを描いた作品。一つの作品を撮影するのにどれだけ時間がかかるのか。サイレント映画なので、あとで字幕を入れるのだが…。今とは比較にならないほど大変な作業だ。若手女優が出演するワンシーンでは、バミリの位置から少しでもずれると撮り直しとなる。
音声技術者は少しの雑音も気になる。監督の足に昔手術で埋め込んだボルトの音がするからと足を組み替えるのを禁止したり…。壮大な戦闘シーンでは、集めたエキストラのひとりに本物の槍が刺さって死亡したり。。むちゃくちゃな映画撮影現場だ。
若手女優は役を得るために必死となる。まずはチャンスを獲得することすら難しい。必死に映画の有力者たちが集まるパーティーに入り込み自己アピールする。偶然手に入れたチャンスを逃さないため必死になる。ただ、一度でもチャンスを得て、そこで自分の実力をアピールできると瞬く間にスターとなっていく。
若手女優の戦略的な動きがすさまじい。ただ、メキシコ出身で卑しい者という目線は周りの映画関係のセレブたちから感じている。そして、若手女優はパーティの現場で大爆発する。
映画の大スターはどこか哀愁が漂っている。大スターすぎて意図しない作品に出ないわけにはいかない。夫婦関係もボロボロとなり、映画に対する情熱も失いつつある。ブラッドピットが演じているのだが、もしかしたら本人の感覚そのままなのかもしれない。
どれだけ売れっ子の大スターでも、突然自殺するのには、心の奥底に映画に対する情熱を失っていたのかもしれない。ラストはプロデューサーが30年後に昔のスタジオに戻り映画を鑑賞する。
ラストの、今までの映画の変遷のような映像は妙に感動してしまった。