あなたが誰かを殺した 


 2025.3.9      外堀を埋めるようにジワジワと犯人を追い詰める 【あなたが誰かを殺した】


                     
あなたが誰かを殺した [ 東野圭吾 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
加賀刑事シリーズ。今回は別荘地で起きた事件を休暇中の加賀が調査する。複数の家族が集まる別荘地。セレブな関係者や複雑な人間関係の中で、それぞれの家族や関係者に犠牲者が出る。残された人々は事件の真相を知るために検証会に参加することになるのだが…。事件の容疑者は人生に嫌気がさし社会に恨みをもつ者の無差別殺人とされていたのだが…。

実は裏ではこの事件を計画した者がいた。関係者が集まる中で、当日の証言を聞きながら加賀が整理し真相を解き明かす。ザ・ミステリーという感じの定番な流れだ。事件を計画した犯人は思いもよらない者であることは間違いない。別荘地で巻き起こる事件なので、場面展開はなく、こじんまりとした印象のミステリーだ。

■ストーリー
閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。――私たちを待ち受けていたのは、想像もしない運命だった。

■感想
セレブたちが集う別荘地で連続殺人事件が巻き起こる。医者の家族や会社の会長家族、そして、経営者まで。別荘地に集まるセレブたちは、お互い交流するためにバーベキューパーティを開いたりもする。ご近所づき合いということでのパーティであり、皆がその会に快く参加しているわけではない。

中には会長に恩義を感じて、家族総出でバーベキューパーティを裏で支える黒子になることを選んだ家族もある。セレブたちの中には表に出ない裏の顔がある者もいる。それらが検証会で明らかとなる。

加賀の役割は、部外者として冷静に事件を客観視する立場にある。そして、検証会の司会を行うことになり…。加賀が冷静に場をさばきながら、早い段階で加賀は犯人を推理している。検証会ではお決まりどおり、次々と怪しい人物が浮かび上がってくる。

推測の域を出ない会話の中で、誰が犯人かを疑心暗鬼し始める。ポイントは無差別殺人犯の単独ではなく、この検証会に参加している何者かが犯人を手配し、すべての計画を立てたと予測される部分だ。誰もが疑われる立場となる瞬間だ。

ラスト30ページの熱量がすさまじい。犯人を予測していく中で、次々と容疑者が浮かび上がっては消えていく。読者は誰が犯人かを想像するのだが、犯人にたどり着くのは難しいのだろう。意外な犯人であることは間違いない。

加賀はあえて真犯人を泳がせており、外堀を埋めるようにジワジワと追い詰めている。ラストでは真犯人がなぜその事件を起こしたのかの動機部分が語られているのだが…。この部分はあまり納得はできなかった。かなりショッキングな犯人ではあるが、そこに至るまでの過程は疑問だ。

犯人が判明するまでが強烈な引きの強さがある。



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