アフターサン


 2026.6.5    普通とは違う、親子関係【アフターサン】


                     
aftersun/アフターサン [ シャーロット・ウェルズ ]
評価:3

■ヒトコト感想
11歳のソフィーと離れて暮らす父親カラムの物語だ。二人っきりでトルコのリゾート地で時を過ごす。ビデオカメラでお互いを撮影する。カラムは見た目が若いために、同じリゾートホテルに宿泊する若者たちからは兄妹と勘違いされたりもする。ごく普通の親子なのだが、ソフィは思春期なので親が思う以上に周りをよく見ている。

ソフィーが当時、何を思いどう感じていたのか。離れて暮らす父親と別れるシーンや、大人となりそのころのカラムの気持ちを感じ取るソフィーの気持ちは複雑だ。のんびりと過ごす二人の空気感が良い。特にビリアードでダブルスを組んで若者たちと試合をする場面は良い。ソフィーが予想以上にうまいために若者たちが驚くのが面白い。

■ストーリー
思春期真っただ中、11歳のソフィ(フランキー・コリオ)は、離れて暮らす若き父・カラム(ポール・メスカル)とトルコのひなびたリゾート地にやってきた。輝く太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、親密な時間をともにする。20年後、カラムと同じ年齢になったソフィ(セリア・ロールソン・ホール)は、ローファイな映像のなかに大好きだった父の、当時は知らなかった一面を見出してゆく……。

■感想
11歳のソフィーは予想以上に大人だ。小学生ではあるが、大人の気持ちを敏感に感じ取っている。リゾートホテルに宿泊している若者たちの言葉を盗み聞きしている。相手は子供だからと気にせずに自分たちのスキャンダラスな内容をペラペラと話続けている。

近くにソフィーがいることに気づいたとしても、子供だからと気にしていない。が、ソフィーはすべて理解しているのだろう。大人へのあこがれと、子供扱いされることを嫌がり、同年代の少女たちと遊ぼうとしないのが面白い。

カラムはどのような思いでソフィーと過ごしていたのだろうか。いずれ離れて暮らすことになる存在。今だけひと時のソフィーとの時間。リゾートホテルでただのんびりとするだけ。リゾートホテルに何泊もしているので金持ちかと思ったがそうではないようだ。

無理しているのかもしれない。ソフィーがカラオケ大会で歌を披露するのだが、歌は下手だった。カラムがソフィーに対して歌のレッスンに通うか?と問いかけたところ、そんなお金はないでしょ、と言い返すソフィーが印象的だ。

ここまで親密な時間を過ごす親子はなかなかいないだろう。ソフィーとカラムの環境がそうさせるのかもしれない。ふたりで過ごせる時間が限られている場合は、より親密に過ごそうとするのだろう。下手に常に一緒に過ごしている親子であれば、こうはならない。

期間限定という部分が重要なのだろう。その後、ソフィーが、父親が撮影した映像を見る場面は強烈だ。荒い画像で父親が自分を撮影している。時々見切れるように父親の姿が映りこむ。11歳という年齢の微妙さが良い。

妙な気分になる物語だ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp