GO [ 窪塚洋介 ]
評価:3
■ヒトコト感想
20年以上前の作品。若き窪塚や柴咲コウが演じている特殊な物語。演出に特徴があり、ポップな雰囲気に満ち溢れている。在日韓国人の杉原の青春が描かれている。序盤の杉原の暴れっぷりがすさまじい。何度も警察のお世話になり、両親に引き取られる。その際に、あえて父親が杉原をボコボコにすることで公的な処分を逃れているような雰囲気がある。
元ボクサーの父親に鍛えられた杉原は喧嘩では負けなし。在日韓国人が日本でどのような扱いを受けるのか。韓国人側にも日本の学校に進学したいという同朋には鉄拳制裁がまっている。バカだからくるくるパーということであだ名がクルパーというのもぶっ飛んでいる。杉原の恋が在日ということで壊れるのは悲しすぎる。
■ストーリー
“クルパー”こと在日韓国人の高校3年生・杉原(窪塚洋介)は、将来の夢もなく、喧嘩に明け暮れる毎日。そんなある日、彼は不思議な魅力をもった少女・桜井(柴咲コウ)と出会い、つきあうことになるが、ついに自分が在日であることを彼女に告白すると…。
■感想
在日韓国人の杉原の恋と青春を描いた物語。冒頭から地下鉄の線路に飛び降りて電車と追いかけっこするという、とんでもない度胸試しをしている。不良仲間たちとなんでもありで、仲間のひとりはパトカーのフロントガラスをブロック塀で割ったりもしている。
それでいて、杉原の父親は元ボクサーということで、悪さをした杉原をボコボコにしている。とんでもない環境にいる杉原。自分が在日韓国人ということのアイデンティティはそこまでない。同朋の友達の方が韓国人の学校でひどい目にあっている。
バカすぎてクルパーとあだ名をつけられた杉原。喧嘩は強く、学校では負けなし。昔の韓国人の仲間たちと再会すると、ちょっとモメたりもする。当時の在日韓国人の扱いや感情が本作のとうりなのかはよくわからない。
韓国人学校の教師は日本語を話した生徒に鉄拳制裁を加える。在日韓国人というだけで、周りから差別の目で見られる。にもかかわらず学校では一目でそれとわかる制服を着させている。杉原が付き合い始めた彼女と良い感じになっていたが、在日韓国人ということを告白したらフラれてしまう。。。
全体的にポップで明るい雰囲気に満ちている。特に序盤の杉原の暴れっぷりは独特の演出で、さも楽しいことのように描かれているのだが…。とんでもないことをしている。杉原の韓国人の真面目な友達が、地下鉄のホームで同胞の女の子を助けたところ、日本人の高校生に刺されるという事件が起きる。
シリアスで悲惨な状況も描かれているのだが、杉原の心境がそこまで表にでてこない。主演の窪塚の演技はあえてそうしているのかもしれないが、少し平板なのが気になった。
古さを感じない作品だ。