CLOSE/クロース


 2025.4.29    幼馴染の死を知る【CLOSE/クロース】


                     
CLOSE/クロース Blu-ray&DVD【Blu-ray】 [ エデン・ダンブリン ]
評価:3

■ヒトコト感想
レオと幼馴染のレミの物語だ。どちらも健康な少年たち。小学校高学年くらいだろうか。親友として24時間365日一緒にいる生活をしている。親同士も仲が良く、ほぼ兄弟のような関係性が出来上がっている。それが学校で同じように過ごしたところ、周りの同級生から誤解されることになる。小学生ならではの残酷さと、他人からどう見られるかというのを初めて認識したレミ。

必要以上にレオを避けてしまうことになる。レミがどちらかというと中性的な雰囲気なので、ふたりは付き合っているように見えるのだろう。本心ではなくレオを避けてしまったレミ。その後に、大きく後悔することになる。レミがひたすら自分のせいだと思い込む場面は悲しすぎる。

■ストーリー
花農家の息子のレオと幼馴染のレミ。昼は花畑や田園を走り回り、夜は寄り添って寝そべる。24時間365日ともに時間を過ごしてきた2人は親友以上で兄弟のような関係だった。13歳になる2人は同じ中学校に入学する。入学初日、ぴったりとくっついて座る2人をみたクラスメイトは「付き合ってるの?」と質問を投げかける。「親友だから当然だ」とむきになるレオ。その後もいじられるレオは、徐々にレミから距離を置くようになる。

ある朝、レミを避けるように一人で登校するレオ。毎日一緒に登下校をしていたにも関わらず、自分を置いて先に登校したことに傷つくレミ。二人はその場で大喧嘩に。その後、レミを気にかけるレオだったが、仲直りすることができず時間だけが過ぎていったある日、課外授業にレミの姿はなかった。心ここにあらずのレオは、授業の終わりに衝撃的な事実を告げられる。それは、レミとの突然の別れだった。移ろいゆく季節のなか、自責の念にかられるレオは、誰にも打ち明けられない想いを抱えていた…。

■感想
レオとレミの関係性はまるで仲の良い兄弟のような感じだ。一緒に遊び食事も一緒にして、そして一緒に並んで眠る。普通の兄弟でもなかなかここまで仲良くなることはない。そんな二人が学校生活をスタートさせるのだが…。

それまで当たり前と思っていた二人の関係が、周りからは奇異に見えるということにショックを受ける。それまでの自分たちの常識が実は世間から見たら異様なことだと知るのはショッキングだ。同級生の女の子から付き合っているの?とからかわれるのは思春期の男子には辛いことかもしれない。

レミはレオを避けるようになる。何も知らないレオはショックを受ける。思春期の男子の複雑な心境が描かれている。それまで仲良くしていた二人が突然仲たがいをする。レオからすると、レミは突然変わったとしか見えないだろう。

最悪の状態でレオと別れ、ひとりで行動するレミ。次の日、レオの事故死を知らされることになる。あの時、あんな行動をとった自分のせいだとレミはショックを受ける。普段と違うことをしたレミの心の中は後悔しかない。このとんでもない苦しみが伝わってきた。

レミはレオの母親や父親が悲しむ姿を見て苦しむ。周りはレオと仲の良かったレミが悲しんでいると同情するのだが…。レミだけが真実を知る。一時の周りの目を気にするあまり、レオに対して反発する態度を見せたことはレミの一生の傷となるのだろう。

レオの母親がなぜかレオがひとりでいたということを話しており、それが死んだ原因とわかる。となると、ここで明確にレミがレオを避けたことで事故が起きたと判明してしまう。非常に心がつらくなる物語だ。

レミの苦しみが伝わってきた。



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