AWAKE


 2026.8.3    人間を超えたコンピュータ【AWAKE】


                     
AWAKE【Blu-ray】 [ 吉沢亮 ]
評価:3

■ヒトコト感想
コンピュータ将棋とプロ棋士の対決を、実話をベースにしながらドラマチックに描かれている。当時の電脳戦については覚えている。昔のコンピュータ将棋は製作者の棋力がソフトの強さに影響するような状況だった。今のAIではまったくそんなことは関係なくAIが自己学習して強くなるのだが…。

ソフト開発者が元奨励会員であり、ライバルだった棋士とコンピュータ将棋開発者として対決する。結末も現実と同じように、コンピュータのバグをつくような戦略を練る。当時からもはやトッププロ棋士であってもコンピュータ将棋には勝てなくなっていた。苦し紛れの戦略としてソフトのバグを突くしかない。棋士は人間としてのプライドと将棋界全体を背負っているというプレッシャーが強烈なインパクトがある。

■ストーリー
かつて将棋のプロを目指していた清田英一。プロ棋士の養成機関で、同世代の浅川陸にその圧倒的な才能を見せつけられ、プロの道を断念していた。その後、大学に入学した英一は、コンピュータ将棋に出会い、強く興味を惹かれる。さっそく人工知能研究会に入りプログラミングの基礎を学んでいく。

■感想
幼少期に将棋のプロを目指し奨励会に参加した清田と浅川。浅川に勝てない清田はプロをあきらめコンピュータ将棋の世界に入り込む。一方で浅川はプロ棋士としてめきめきと成長していくのだが…。実際にコンピュータとプロ棋士が対戦した電脳戦をベースに物語が描かれている。

清田がコンピュータ将棋にのめりこむのは必然かもしれない。基本的にプロ棋士を目指すような人は頭が良いのがベースにあり。プログラミングの素人であっても、少し集中して勉強すれば身に着けることができるのだろう。

清田の挫折が序盤で描かれている。厳しいプロに行く前の壮絶なハードルとして奨励会がある。これは周知の事実で年齢制限があり、それまですべてを捨てて将棋に賭けてきた子供たちは、自分よりも上がいることを知り打ちひしがれる。

厳しいようだが、弱い棋士がプロになっても不幸でしかないので当然のことなのだろう。早めに才能がないことを気づかせるのも重要だ。プロとして成功した浅川と挫折した清田。そして、清田がプログラマーとしてソフトを開発して人間に将棋で勝利するというドラマチックな展開を想像したのだが…。

現実で起きたことがそのままなぞられている。今では絶対にありえないが、当時はソフトのバグで必ず勝てる展開があった。それをプロ棋士はプライドを捨てて、勝ちに徹したということなのだろう。それまでの前振りとして、練習でプロが何度も将棋ソフトに挑戦しても勝てずに苦しんでいる描写がある。

この時点で、人間はコンピュータには勝てないと証明されたようなものだ。ただ、プロ棋士を代表して人間が負けるわけにはいかない、強烈なプレッシャーが浅川にのしかかっていたことは間違いない。

当時の最強棋士が現実にもコンピュータと最後まで対戦しなかったのは、そういうことなのだろう。



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