ゾディアック


 2023.4.14     ゾディアックを逮捕できないのがもどかしい【ゾディアック】

                     
ZODIAC ゾディアック
評価:3.5

■ヒトコト感想
ゾディアック事件を描いた作品。2回目の視聴。実際に迷宮入りした事件を解き明かそうとする。強烈なのはやはり迷宮入りした事件の捜査には、最終的には2人程度の捜査官しか捜査にあたらないということだ。いつまでも迷宮事件に人を割くわけにはいかない。新聞記者やマンガ家、そして捜査官。すべての者が犯人を見つけ出すことに心血を注ぐ。

序盤でのゾディアックの残酷なまでの犯行の数々は、犯人への憎悪を引き立たせる効果がある。有力な容疑者が見つかったとしても、筆跡が合わないだとか指紋が違うということで令状がとれない。状況証拠がたとえそろったとしても、物的証拠がないことには逮捕できない。非常にもどかしい状況にあることは間違いない。

■ストーリー
“ゾディアック”と名乗る連続殺人犯と、その事件の解決に挑む者たち。「殺人」と「真実の究明」という全く逆の立場にいる人間たちが、謎が謎を呼ぶ事件を巡り、次第にその運命を狂わされていく…。

■感想
連続殺人犯のゾディアックの恐怖。序盤では不気味なゾディアックの存在が恐ろしい。突然現れ、容赦なく相手に危害を加える。無差別というのと、正体不明感がすさまじく恐ろしい。事件の解明に力を注ぐのは捜査官と新聞記者だ。

現実の結末としては、犯人は捕まっていない。作中では有力な容疑者がおり、捜査官は容疑者を追い詰めるのだが…。最後の最後で逮捕できない。物的証拠や筆跡鑑定での結果なのだろう。今ならまた違った結末かもしれない。科学捜査がそこまでない時代の悲哀だろう。

ゾディアックの恐怖は多数の証拠や脅迫文を新聞社に送りながら、最後まで逮捕されなかった部分だ。被害者のひとりには顔も見られており、有力な容疑者が犯人だという言葉もある。それでも逮捕できないのはもどかしくて仕方がない。

捜査官は何年も迷宮入りした事件を追いかけ続ける。最終的にはたったひとりで捜査を続ける。もはや、この段階になると、マンガ家がもってきた犯人に対する証拠をひたすら否定するだけの存在のように思えてくる。

マンガ家がゾディアックに関する本を書くために調査し、容疑者を絞り込む。ただ、それはすでに捜査官が過去に捜査し見つけ出した容疑者だった。当然だろう。警察の捜査力と比べ、マンガ家は警察の資料をただ見せてもらっているだけだ。

捜査官が当時どれだけ苦労し令状をとろうとしたのか。結局のところ、筆跡鑑定者が筆跡が違うと否定してしまうと、それで証拠がなくなり令状がとれなくなる。多少無理な捜査をしたとしても…。強烈にもどかしい場面だ。

強烈にもどかしい思いが募る作品だ。



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