残酷で異常


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 2023.1.10     ひたすら妻殺しをループする死後の世界【残酷で異常】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
謎に満ちた作品。自らが犯した罪を反省する、という作品なのか。妻殺害のシーンがひたすらループされる。死後の世界は、まるで刑務所のように、残酷な罪を犯した者たちが集められる。自己啓発セミナーのように自らの罪をみんなの前で告白する。恐ろしい雰囲気に満ち溢れている。

古いブラウン管のテレビに映る謎の老婆が場を仕切る。絶対的権力と制裁権をもつ。男は最初は戸惑うのだが、仕組みを理解し恐ろしくなる。自分が犯した罪をひたすらループさせられる。途中で何かを変えれば結末が変わるのかと思いきや、そうはならない。この罪のループを抜ける方法はひとつしかない。それは、自らが罪を犯す前に自殺することだ。自殺が最も罪深く、それを実行した者たちは…。なんだか不思議な作品だ。

■ストーリー
犯していない妻殺害の罪を追求され、男は永遠に妻殺害の現場が再現される奇妙な建物に閉じ込められる。

■感想
冒頭、ある男が妻と少々のいざこざを起こした後に、取り乱す男と身動きしない妻の映像が流れる。そこから刑務所のような場所へうつり、自己啓発セミナー的な流れとなる。残酷な犯罪を犯した者たちだけが集められる場所。

ここで衝撃的なのは、ここにいる者たちはすべて死者だということだ。少年は両親を惨殺した場面をとつとつと語る。周りがそれを平然と聞いているのが強烈だ。男は自分が妻殺しとしてこの場にいることに違和感を覚える。中盤までは男は妻を殺したという認識がない。それは観衆も同様だ。

テレビのブラウン管に映るおばさんとおじさん。皆に厳しく指示を出す何かしら権力者のような雰囲気がある。誰も逆らえない存在。絶対的な権力としての表現がある。ひとりの男が、おばさんに悪態をついた際には、おばさんが念じることで男の金玉が潰れてしまう。

死者たちの世界では、自分の罪を悔い改めるために、なんども妻を殺害するまでが繰り返される。あの時こうしていれば、という選択をいくつか試したとしても最終的には結果は変わらない。

ミステリアスな要素としては、男のことを実は妻が殺そうとしていたのでは?という流れがある。後半では、男は関係者の様々な意識に入りこみ、真実を知る。すべては自分の嫉妬から発生した勘違いであった。後悔してもどうにもならない。

どうにかして妻を殺害しないために男がとった行動は強烈だ。そして、行動を共にしてきた同じく死者である女は…。オチとしては男は自殺することで妻を殺さずに済んだという話だ。ただ、自殺は最も重い罪という語られ方をしており、再び男は自己啓発セミナーに参加している。。。

異様な雰囲気の作品だ。



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