2022.3.6 未来を描いた作品を、その未来を超えた現在で見る【夢の涯てまでも ディレクターズカット版】
夢の涯てまでも / ヴィム・ヴェンダース, ピーター・カーレイ, 蒔岡 雪子
評価:2.5
■ヒトコト感想
1991年に発表された5時間の長編作品。1999年の未来を描いた作品であるので、当時想像した未来感が描かれている。今見ると、ソフト的には近いものがあるのだろう。Zoomのようにテレビ電話があり、多人数でテレビ電話をしている。ただ、ハード的な面では違和感しかない。
分厚いブラウン管でテレビ電話しているのは違和感だらけだ。序盤はちょっとしたラブストーリーとロードムービー的に世界各地を回る。日本にまでやってきているのは驚いた。そこから核戦争の流れで昔の暮らしに返るという流れから、夢を映像化する特殊な研究へとうつる。5時間の作品となると、ひとつのテーマで続けるのは苦しいのだろう。脳に直接映像を送り込むシステムがラストのポイントだ。
■ストーリー
1999年冬、核衛星の墜落が予測され、世界は不安に覆われる。ヴェニスから車で旅に出たクレアは、途中何者かに追われるトレヴァーと出会う。一度は別れたものの、なぜか彼のことが気になり、元恋人の作家や私立探偵と共にその後を追ってリスボン、モスクワ、北京へ。東京でトレヴァーと再会したクレアは、彼が盲目の母に見せる映像を集めるため、父が発明した脳に映像を直接送り込むカメラを手に世界中
■感想
冒頭は大金を盗まれたクレアが、盗んだトレヴァーを追いかける物語だ。そこで登場するのは公衆電話ではあるが、テレビ電話ができるヘンテコな機械だ。未来感を出そうとしているのだが、ハード的に分厚い文庫本のような形をしているので違和感がある。
クレアがトレヴァーの捜索を依頼した探偵がもつ機器も不思議だ。世界のどこで対象者がカードを使ったかを探索するソフトのようだが…。映像は古臭いのだが、クマのようなキャラがアチコチ探し回り、発見したらクマのアニメが見つけた動きをする。なんだか変に高度だ。
世界各地でトレヴァーを探し回る。クレアとトレヴァーのロードムービー的な雰囲気となるのだが…。ここでの目的がイマイチよくわからない。そこから、トレヴァーが故郷に帰り、両親と出会う。ここまででだいたい2時間半くらいなのだろう。
そこから、核爆弾の爆発により電子機器が使えないという流れとなる。近未来の生活から原始的な生活へと戻る。未来を描きつつも、後半はその要素をなくすにはこうするしかなかったのだろう。放射能汚染に注意しながらの生活が描かれている。
ラストは盲目の母親に映像を見せるための研究がメインとなる。脳派を映像化する機械であり、最終的にはクレアの夢を映像化しようとする。2021年現在でもできない高度な技術なのだが、未来であれば実現可能ということで描かれている。
30年前の作品であり恐らくは最終的には現在ぐらいの未来までを描いている作品だ。ただ、現在の要素は何一つない。スマホも車の自動運転もない。ハード的な未来は描かれていない。ただ、テレビ電話のソフトだけは妙に今の状況に近いのには驚いた。
未来を描いた作品を、その未来を超えた現在で見ると違和感しかない。
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