野性の呼び声 [ ハリソン・フォード ]
評価:3
■ヒトコト感想
一匹の犬が主人公の本作。ペットとして飼われていたバックは男にさらわれカナダで犬ぞりを引くことになる。動物たちをCGで描き、人間は実際の俳優が演じている。序盤でバックは犬ぞりを引くことになるのだが、犬社会のリーダー決めや周りの犬たちから尊敬される場面が登場してくる。ディズニーアニメのように動物たちが会話をするわけではない。ただ動物たちの表情を見て感じ取るしかない。
表情だけで表現するのはかなり困難なのだが…。元のリーダーとバックの対決で、バックが新しいリーダーとなる。負けた犬は群れを離れるのだが…。人間からしたらそれまで優秀な犬ぞりの犬が急にいなくなったので、混乱するだけなのだろう。
■ストーリー
カリフォルニア州でペットとして幸せに暮らしていたバックは、ある日、男にさらわれゴールドラッシュに沸くカナダのユーコン準州でそり犬として働く。その後、転売され、過酷な環境で人間に酷使されていた時、ひとり傷心の旅をする男ソーントンに助け出される。やがて、バックとソーントンは、未開の地を目指し、冒険の旅に出るのだが、そこで彼らを待ち受けるのは――。アメリカの作家ジャック・ロンドンの人気小説が原作のスペクタクル・アドベンチャー。
■感想
犬ぞりの環境は過酷だ。それまでペットとして育てられたベックからすると、初めてのことだらけだろう。温かい家の中で眠れていたのが、犬ぞりの場合は雪の中で寝るしかない。まさに野性に近い環境なのだろう。
大量の手紙を積んだそりを犬たちで引いてく。普通に考えるとかなり大変なのは想像できる。下り坂は良いのだが、上り坂はかなりつらいだろう。そのためだけに集められた犬であり、バックはその中でも体が大きいので周りから頼りにされたりもする。犬社会の関係性も描かれている。
犬ぞりチームのリーダー争いはわかりやすい。新参者のベックが周りの犬たちからの信頼を集める。それまでのリーダーが傲慢なリーダーで仲間の食べ物を奪うタイプなので、心優しいベックは周りの犬から慕われることになる。犬ぞりのリーダーとして充実し始めるベック。
そのタイミングで犬ぞりの仕事がなくなり、ベックたちは町で買い手を求めて放置されることになるのだが…。ゴールドラッシュで一攫千金を目指した男に買われることになる…。
後半ではベックは森の中でオオカミに出会うことになる。ここでベックは自分のルーツがオオカミにあることを知る。新しい飼い主との幸せで安定した生活を選ぶのか、自分の本能にまかせてオオカミたちと生活するのか。
ベックの身体能力はすさまじい。オオカミたちが川に流されそうになるとベックが巨大な木を持ち上げて助けたりもする。ベックは犬でありながらオオカミよりも力強い。人間に飼いならされるよりも野性としての自分をベックは最後に選んだのだろう。
CGが強烈にリアルだ。