Winny


 2024.6.2    天才プログラマーの悲しい結末【Winny】


                     
Winny [ 東出昌大 ]
評価:3

■ヒトコト感想
Winny事件は知っていた。当時は、Winnyによる情報漏洩が話題になっていたので、かなりWinny近辺が騒がしかった。その後、新たなファイル共有ソフトができたのかは不明だ。開発者が逮捕されたということでかなり衝撃的な出来事だった。本作はそれらを描いているのだが、まず主役である金子がかなりプログラムバカだというのが伝わってきた。

警察が作文した調書をそのままあとで修正すればよいと馬鹿正直に書き写したり。自分が裁判にかけられているということに対する深刻度が低い。裁判中であっても、Winnyのプログラムを改造してリリースしたいと考えている。確かにプログラマーとしては天才なのかもしれない。ただ、社会性が極度に低いように感じられた。

■ストーリー
金子勇は、革新的なファイル共有ソフト「Winny」を開発するも著作権法違反幇助の容疑で逮捕されてしまう。弁護士・壇俊光は弁護団と共に、裁判で金子の逮捕の不当性を主張する。開発者の未来と権利を守るために戦った者たちの実話を基にした物語。

■感想
Winny開発者である金子。その裁判を担当した弁護士の壇。どちらも中年太りの体形となっている。それらを演じる俳優たちは肉体改造をして太った風貌をしている。エンディングで実際の写真が登場するのだが、確かに金子は俳優の東出が太った姿に似ていた。

実際の事件を描いているでの、本人たちに似せることにかなり力を入れているのだろう。金子が部屋でプログラムを作っているシーンが頻繁に登場するのだが、手元にはお菓子と甘いジュースが山盛りとなっている。最終的に若くして死んだ原因のひとつとして不摂生があるような気がした。

事件の序盤から警察組織が金子の容疑を固めようと必死になる。金子自身が著作権侵害を目的とはしていないので、かなり無理筋の容疑を通そうとしている。それに対して最初から金子が強い気持ちで容疑を否定し続けていればこんな結果にはならなかったのだろう。

警察の捜査に協力するからと、警察が作った作文をそのまま書き写したり。警察の取り調べや調書を甘くみている。後で裁判所で修正すればよいという思いで、その場では警察の言うことを何でも聞いてしまう。これほど危機感のない人物も珍しいだろう。

金子は常にプログラムを作ることに心血を注いでいる。アイデアが湧き出し、普通の人が3年かかるプログラムを2週間で作ってしまったり。天才は日常の社会生活を送ることに向いていない典型かもしれない。もし、優秀な経営者の元でプログラム作成ができていたとしたら、とんでもない大ヒットソフトを作っていたのかもしれない。

結局は最初の判決で有罪となり、その後、提訴して無罪となる。ただ、一般的にはWinny開発者が有罪となったというイメージとなってしまった。

当時の衝撃を思い出した。



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