藁にもすがる獣たち


 2023.3.19     大金を手にした者は殺される【藁にもすがる獣たち】

                     
藁にもすがる獣たち [ チョン・ドヨン ]
評価:3

■ヒトコト感想
韓国映画。それぞれ金に困った者たちが、金を手に入れようと奔走する。バッグに入った大金は誰の手にわたるのか。印象的なのは、DVを受けているヨンヒだ。借金返済のため、夫に虐げられながらもホステスとして働く。客の男と共謀し夫を殺害して保険金を手に入れようとするのだが…。元々はヨンヒの保険金のはずが、様々な人の手に渡っていく。冒頭にホテルのアルバイトのジェンマンがロッカーで見つけた大金の入った金は、ヨンヒが手に入れた保険金だとわかる。

序盤はそれぞれのストーリーが展開され、それが中盤以降に繋がっていく。バッグを手に入れた人はことごとく死んでいく。最後にバッグを手にしたのは、なんの野望もない平凡な主婦だった。

■ストーリー
最後に笑うのは誰だ! ?失踪した恋人が残した多額の借金を抱えて金融業者からの取り立てに追われるテヨン、暗い過去を精算して新たな人生を歩もうとするヨンヒ、事業に失敗してアルバイトで必死に生計を立てているジュンマン、借金のために家庭が崩壊したミラン。ある日、ジュンマンが勤め先のロッカーの中に忘れ物のバッグを発見する。その中には10億ウォンもの大金が入っていた。地獄から抜け出すために藁にもすがりたい、欲望に駆られた獣たちの運命は――。果たして最後に笑うのは誰だ! ?

■感想
中年のジェンマンは若造の支配人にこき使われながらホテルでアルバイトをしている。ロッカーに客の忘れ物があり、そのバッグの中には大金が入っていた。まずジェンマンの家には認知症の母親がいて、妻は苦労している環境というのがわかる。

ジェンマンの虐げられ感がすばらしい。ぼんやりとした中年というか、若い支配人に遅刻を叱責されるなど、明らかに不幸な雰囲気が漂っている。このバッグの大金は何なのかは、他のエピソードから判明することになる。構成の妙で観衆をくぎ付けにしている。

ヨンヒはDV夫を殺して保険金を手に入れることを考える。この計画に客の男や、店のママが関わっていく。かなり残酷なシーンが目白押しとなる。ヨンヒは悲惨な結末を迎え、店のママが大金を手に入れる。この女が曲者だ。テヨンに近づいて何かしら入知恵をしようとする。

借金取りから逃げるために様々な言い訳をして、ついには借金取りまで仲間に引き入れてしまう。ただ、いざ自分の邪魔になるとわかると、あっさりと殺してしまう。この女がすべての元凶であるといっても間違いはないだろう。

大金の入ったバッグは誰が手にするのか。バッグを手にして逃げたある者は、トラックに轢かれ即死してしまったり。。仲間にバラバラにされて殺されたり。一瞬、ジェンマンがホテルから持ち帰り、自分の事業を始めるための資金にしようとしたのだが…。そこに借金取りと女がやってくる。

あぶく銭を手に入れようとする者は痛い目を見る。借金取りにしても、大金を目の前にして女に殺されてしまう。女は大金を手に入れ高飛びしようとしたのだが…。

ラストで関係者がほぼすべて死亡した後に、バッグを手に入れた者は最高だ。



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