ヴォイジャー


 2023.1.19     86年間の宇宙船での旅【ヴォイジャー】

                     
ヴォイジャー [ タイ・シェリダン ]
評価:3

■ヒトコト感想
人間が将来的には地球に住めなくなる。新たに移住可能な星は発見されたが、その惑星に到着するには86年かかる。選ばれた少年と少女たちが孫の世代のために移住しようとする。宇宙船の中で生活し、成長していく。ひとり、子供たちを導く立場の大人のリチャードのみが宇宙船に乗り込む。完全に管理され落ち着いた大人へと成長していく子供たち。

栄養管理も完璧で、激しい欲求を抑えるための薬を子供たちはひそかに飲まされたりもする。それに気づいた子供たちは、薬を飲むことを拒否し、人間本来の競争や争い、そして女性を獲得しようとする気持ちが生まれてくる。管理された大人しい植物のような青年たち。薬を止めたことで争いが生まれることになるのだが…。

■ストーリー
科学者は、人類が移住可能な惑星を発見したと言う。移住計画が話し合われるが、その惑星に到着できるのは86年後。まずは30名の少年と少女を選抜し、その孫の世代を惑星に移住、開拓させる計画が実行されるのだが…。

■感想
人類の新たな移住先を見つけ出し、そこへ向かう。そもそもはるかかなたにある星のため、86年もの歳月がかかる。どのようにしてその星へ到達するのかというと。。少年少女たちを乗せ、子供や孫たちが新しい星で生活することのために宇宙船に乗り込む。

選ばれた子供たちのみが乗れる舟に、唯一の大人であるリチャードが乗り込む。宇宙船に乗り込んだ子供たちは成長するのだが、まるでロボットのように規則正しい生活をし、表情の変化もない。それは薬により欲望を抑え、規律を守るような性格にされているためだ。

リチャードはすべてを理解していたのだろう。子供たちを従順にする薬を飲まなくなるとどうなるのか。人間本来の荒々しい気持ちを思い出し、同年代の異性へと興味がわいてくる。そうなってくると、宇宙船の内部の秩序は崩壊していく。

ここから、船内での小競り合いが起こり、ついには宇宙船の修理作業でリチャードが死亡してしまう。制御された子供たちが、しだいに人間の心を思い出す。正しい姿なのかもしれないが、争いを生み秩序が乱れ、殺し合いへと発展しかねない状態となる。

宇宙船内部での規律正しい生活の描写がすばらしい。すべてがコンピュータ制御されており、食べ物や飲み物も管理されている。栄養は足りているのだが、腹いっぱい食べたいという欲望はあるのだろう。人間本来の心を取り戻した者たちは、争い始める。

人間はどれだけコントロールされたとしても、本来は争う生物なのだろう。ラストでは権力争いののち、正しい状況となり欲望を抑え規則正しい生活をし、子孫を増やしていくことができる。強烈なインパクトがあるのは間違いない。

宇宙船でのはるかなる旅というのは、強烈なインパクトがある。



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