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　2023.10.5 　　　魔女狩りの果ての惨劇【ウィッチ】

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ウィッチ
評価：3

■ヒトコト感想
過去にイングランドで起きた魔女狩りを描いたような作品だ。強烈なインパクトはない。父親のウィリアム、母親のキャサリン、長女のトマシン、そして長男と双子と生まれたばかりの子どもの家族構成だ。宗教的な問題で町を追い出されたウィリアム家族。そこで、幼い子供が連れ去られた。魔女なのかそれとも狼か。すでに家族のていをなしていない。

父親と母親は諍いが続き、騒ぎ続ける双子を大声でしかる。トマシンは双子や弟に対して、自分は魔女で呪ってやると遊びで脅したりもする。そんな時に、弟が何者かにさらわれてしまう。魔女にさらわれたという体ではあるのだが…。最後までその正体はわからない。ただ、魔女騒ぎから子供を魔女だと疑う親の心境は強烈なインパクトがある。

■ストーリー
1630年、ニューイングランド。街を追い出された父ウィリアム(ラルフ・アイネソン)と母キャサリン(ケイト・ディッキー)は、5人の子供たちと共に、森の近くの荒れ地にやって来た。しかし、赤子のサムが何者かに連れ去られ、行方不明に。連れ去ったのは森の魔女か、それとも狼か。悲しみに沈む家族だったが、父ウィリアムは、美しく成長した愛娘トマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ)が魔女ではないかと疑いはじめる。疑心暗鬼となった家族は、やがて狂気の淵に陥っていく・・・。

■感想
ウィリアム家族は人里離れた森で生活することになる。周りにひとけがないので、何か問題があっても周りに頼ることはできない。自給自足の生活で不便な環境ではあるが…。夫婦関係は絶望的だ。幼い子供が行方不明となり家族の不和が加速されていく。

幼い双子が家で騒いでいると、些細なことではあるが父親は激怒する。確かに小生意気な双子ではあるが、ある意味かわいいさかりではないか？と思えたのだが、母親は特に長男だけを溺愛している。それぞれの子どもに対するあたりの変化が激しい両親だ。

母親は特にトマシンを毛嫌いする。同姓だからというのだろうか。弟を誘惑したとまで言い張る。すでにこの家族はおかしくなっているのだろう。家族内での不協和音とは別に、実際に弟は魔女のような者にさらわれてしまう。

帰ってきた長男は呆然として、その後はうなされ続け、最後には死んでしまう。魔女騒ぎがあるのは時代的なものとして、実際に魔女が存在したのか。それとも宗教的な儀式が、他者から魔女と誤解されるような行動をとっていたのだろうか。

ヤギが悪魔の使いというのはなんとなくわかる。双子がヤギと会話できる下りがある。そこから双子が悪魔と契約しただとか、トマシンが悪魔と契約し長男を誘惑しただとか。強烈なインパクトがある展開が続いていく。

もはや家族は何も信じられない状態となっている。特に母親は長男が死んだ瞬間からおかしくなっている。長男の死体にトマシンが近づくことを激怒したり…。家族というよりは完全に敵のように考えている。親から魔女と思われたトマシンは心が正常に保てるわけない。

魔女狩りの結末は悲惨でしかない。