ウェイ・ダウン


 2024.2.24    金庫の重さが変わると、部屋が水で充満される【ウェイ・ダウン】


                     
ウェイ・ダウン [ ジャウマ・バラゲロ ]
評価:3

■ヒトコト感想
特殊な技術をもつ者たちが協力して銀行に保管された財宝を奪い取る物語だ。本作の特徴としては、天才的な頭脳をもつ大学生のトムが特殊な構造をもつ地下の金庫をどうやって攻略するかだ。スペインの銀行であり、ちょうど南アフリカワールドカップの決勝が行われている日に、奪いに忍び込む。

スペインがオランダと決勝を戦っているその時、地下の奥深くではトムたちが四苦八苦している。普通にしていれば大企業にスカウトされたトムがあえて日の当たらない場所を選ぶ。難攻不落の地下倉庫は、重さにより仕掛けが変わるという特殊なものだった。重さが少しでも変わると内部に水が充満するという、盗みに入った者を皆殺しをする仕組みが恐ろしい。

■ストーリー
スペイン代表の優勝が懸かったサッカー決勝戦の間に、“鉄壁の守り”を擁する銀行から財宝を奪還せよ!!30年以上追い求めていたフランシス・ドレークの財宝のヒントを、やっとのことで沈没船から発見したイギリス人のウォルターとジェームズ。しかし沈没船はスペイン籍のもので、発見された物も保有権はスペインにある、として国に奪われてしまった。しかも、その保管場所は“工学の奇跡”“世界一安全な金庫”という異名を持つ難攻不落の構造を擁するスペイン銀行の地下倉庫だった。

天才的な頭脳を持つ大学生のトムを仲間にしたウォルターたちは、設計図も地図も存在しないスペイン銀行の金庫の秘密を解明すべく調査を開始し、ついに攻略法を見つけ出す。国中がサッカーワールドカップの決勝戦で盛り上がる中、彼らの大勝負のカウントダウンが始まる!

■感想
財宝を探し手に入れるグループのリーダーであるドレーク。30年以上かけて探し続けた沈没船の財宝を見つけ出したのだが…。スペイン国籍の船ということで、スペインに奪われてしまう。その恨みを晴らすためにスペイン銀行の地下にある財宝を奪うことを決意する。

そのために、集められたメンバーはプロフェッショナルぞろいだ。特にポイントとなるのは、天才的な頭脳をもつ大学生のトムだ。世界的な石油流出事故を解決したということで、様々な大企業からスカウトされるような人材だった。

難攻不落の金庫というと最新のテクノロジーを搭載した金庫を想定するのだが…。スペイン銀行の地下にあるのは、大昔に作られた原始的な仕組みだった。金庫内部の重さが少しでも変わると、そこから金庫の出入り口がふさがれ、中は水で充満される。

設計図もない、はるか昔の仕掛けをどのようにして攻略するのか。トムが選んだのは液体窒素で凍らせて秤を動かさないことだったのだが…。巨大な秤を凍らせるには大量の液体窒素が必要であり、それを手に入れるのは調達係だ。

様々なトラブルがあり、トムたちは金庫内部に取り残され、水が充満していく。もはや絶対絶命な状況となりながら…。ここから無事に逃げ出すパターンが本作の特殊さだろう。スペインがワールドカップの決勝を戦っており、パブリックビューイングが行われている場所の真下での出来事。

そのため、脱出の際にも、群衆をうまく利用して逃げおおせている。裏の裏をかくパターンなのかもしれない。大勝負は絶対絶命の危機を乗り越えてこそ成功するのだろう。

ラストはハラハラドキドキしてくる。



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