罪の声


 2023.3.25     グリコ森永事件をモチーフに【罪の声】

                     
罪の声 通常版 [ 小栗旬 ]
評価:3

■ヒトコト感想
グリコ森永事件をモチーフとした作品。異質な事件であり、マスコミを利用した脅迫などが印象的な事件だ。要求を受け入れなければお菓子に毒を入れる。身代金の受け渡しを子供の声のテープで送りつける。本作はその声として使われた子供が大人となり、自分の声が事件の脅迫に使われたと知る物語だ。

異様な雰囲気がある。事件としては身代金を奪われたわけでもなく、誰かが死んだわけでもない。それでも、当時の人々の記憶には強烈に焼き付いているのだろう。現代となり、その事件を再度検証するために新聞記者が動きだす。時同じくして、子供時代に声を使われた男が、なぜ自分の声を?と事件を調べることになる。声を使われた子供のその後が不幸なのは強烈なインパクトがある。

■ストーリー
翻弄される運命。救うべきもの。本当の“罪"とは―いま明かされる、日本中を震撼させた未解決事件の真相!35年前、日本中を巻き込み震撼させた驚愕の大事件。食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件は、誘拐や身代金要求、そして毒物混入など数々の犯罪を繰り返す凶悪さと同時に、警察やマスコミまでも挑発し、世間の関心を引き続けた挙句に忽然と姿を消した謎の犯人グループによる、日本の犯罪史上類を見ない劇場型犯罪-。

大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、既に時効となっているこの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は、家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。「俺の声だ―」それは、あの日本中を震撼させた未解決事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声だった!やがて運命に導かれるように2人は出会い、ある大きな決断へと向かう。

事件の深淵に潜む真実を追う新聞記者の阿久津と、脅迫テープに声を使用され、知らないうちに事件に関わってしまった俊也を含む3人の子供たち。「正義」とは何か?「罪」とは何か? 昭和・平成が幕を閉じ新時代が始まろうとしている今、35年の時を経て、それぞれの人生が激しく交錯し、衝撃の真相が明らかになる―

■感想
実在の事件をモチーフとしているのが強烈だ。子供の声が身代金受け渡し場所の指定として使われる。新聞で盛んに報道されたキツネ目の男の存在から、棒読みの子供の音声。事件としての不気味さが物語を強烈なものへと変化させていく。

恐らくはほとんどがフィクションなのだろうが、実際にグリコ森永事件で声を使われた子供は、成長し大人となり、自分の声を使われたと知ったらどう思うのか。そんなIFを本作が描いているのだろう。知らないうちに世間を騒がす大事件に自分が加担していると知ったら、それは平常心ではいられないだろう。

社会部から文化部へと異動した阿久津が、すでに時効となった未解決事件を追いかけることになる。大昔の事件を追うのは相当に大変だろう。現実にはこうもうまくいくはずないのだが…。声を使われた俊也は、なぜ自分の声を?とショックを受け事件を調べることになる。

結局は当時の警察が調べきれなかったことや犯人グループまでもがしっかりと判明している。グリコ森永事件は身代金が目的ではなく、株価の暴落と空売りによる儲けを狙っていたという流れだ。

声を使われた少女と2人の子供たち。その後の人生は、何も知らない俊也以外は悲惨な状況となっていた。やはり犯罪に加担するような家族の元では、幸せな生活は難しいのだろう。俊也は偶然父親の遺品からテープと証拠となる手帳を見つけたため、自分の声を使われたと気づいたのだが…。

人には知らなくて良いこともある。ただ、一度知ってしまったら、しっかりと自分が納得するまで調べるというのは理解できる。幼い俊也の声がなぜ使われたのか、衝撃的な結末が待っている。

グリコ森永事件の不気味さが強烈に描かれている。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp