追憶


 2022.12.18     身寄りのない少年たちのそれぞれの人生【追憶】

                     
追憶 通常版/岡田准一,小栗旬,柄本佑,降旗康男(監督),千住明(音楽)
評価:3

■ヒトコト感想
親から虐待を受け、親から棄てられた3人の少年たちはある場所に引き取られていた。そんな3人の少年が過去に起こした事件。そして、現代になりそれぞれの人生を歩んでいたはずなのだが、再びその3人が出合うことになる。3人がそれぞれ刑事と被害者と容疑者となるのが本作のメインだろう。過去に起こした事件を隠蔽するため、3人は知らない関係を貫きとおしたのだが、ここで再び繋がりができることになる。

それぞれの人生に悲喜こもごもあるが、身寄りのない少年が、それぞれちゃんとした家庭を築けているので、ある意味順調な人生だったのだろう。事業として景気がよかったりうまくいっていなかったりはあるとしても…。刑事の、常に苦み走った表情が印象的だ。

■ストーリー
富山県の漁港で殺人事件が起きた。事件によって、かつて親友だった3人は、刑事、容疑者、被害者として再会することになった。刑事、四方篤(岡田准一)―――妻(長澤まさみ)へ自分の心をうまく伝えられず、すれ違いの日々を送る。なぜ、愛する人にも心を開くことが出来ないのか。容疑者、田所啓太(小栗旬)―――会社の好転、妻(木村文乃)の妊娠、新居の建築と幸せの絶頂の中、なぜ、事件の真相を語ろうとしないのか。

被害者、川端悟(柄本佑)―――倒産寸前の会社と家族のため、金策に奔走していた。なぜ、殺されなければならなかったのか。25年前、親に捨てられた3人は、涼子(安藤サクラ)が営む、喫茶「ゆきわりそう」に身を寄せていた。常連客の光男(吉岡秀隆)とともに5人はまるで家族のような間柄になった。だが、ある事件を機に、その幸せは終わった。無実を信じる四方の問いかけにも、田所は口をつぐむ。一体、何を守ろうとしているのか。3人の過去に何があったのか。複雑に絡みあった壮大な人生のドラマは、25年の時を経て、再び運命の歯車を回し始める。

■感想
ミステリアスな展開だ。序盤では3人の境遇と過去の事件が語られている。そこから現代にいたり、それぞれの人生が描かれている。刑事となり夫婦がうまくいっていない四方。倒産寸前の会社を婿養子として切り盛りしている川端。建築会社の婿養子となり景気の良く幸せ一杯の田所。

接点のないはずの3人ではあるが、実は川端はひそかに田所に借金を依頼していた。物語のメインは、、川端が何者かに殺害された事件の捜査だ。物語の流れとして川端が過去の事件を脅しの材料として田所を脅して金をせびっており、嫌気の刺した田所の犯行という流れが作られている。

過去に3人を一時的に引き取っていた涼子が重要な役目となる。3人と涼子は事件を隠すためにまったく見ず知らずの関係となったはずなのだが…。川端は頻繁に涼子へ会いにいっており、田所は涼子が店をやっていた土地を買い取り、そこに新居を建てようとしていた。

終盤まで田所が今の幸せを維持するために口をつぐんでいると思った。四方にしても、刑事としての捜査でありながら、自分が川端や田所と知り合いであることを隠し、それがあとで判明してより立場が悪くなっている。

ラストは衝撃的な展開だ。明らかに田所が犯人だという流れであり、四方もその流れで田所に迫っていたのだが…。大どんでん返しが待っていた。過去の思い出を忘れない。決して今が幸せでなくとも、なんらかの希望はすてない。

正直、田所以外の登場人物たちは、皆客観的に見ると不幸な状況かもしれない。四方にしても、妻とは別れる前提であり将来に希望もない。川端は殺され、さらには家族がとんでもない状況となっていた。涼子に関しては脳に障害が残っており…。

有名俳優たちが共演した強烈な作品だ。



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