2024.12.18 総理大臣になる議員としてはありえないスクープ 【当確師 正義の御旗】
当確師 正義の御旗 [ 真山仁 ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
当確師シリーズの第三弾。今回は次期総裁選でのスキャンダルを描いている。メインは新聞社や週刊誌の報道についてだ。当確師としての能力というよりは、検察や新聞記者との情報のやりとりで過去の事件を調査する。今回の聖は、次期総裁選で2番手につけている女性議員である本多を当選させることにある。今までの当確師とは異なるミッションがひそかに実行されている。
アメリカや中国の意向。そして、誰が22年前の事件を今更掘り起こしたのか。検察特捜部がつぶされた事件を新聞記者にリークする。ひりつくような展開がすばらしい。選挙戦での駆け引きのすさまじさと、党員が投票する総裁選独特の票読みがある。聖の動きがすさまじく印象的だ。
■ストーリー
当選確率99%を誇る選挙コンサルタント、聖達磨。現与党の次期総裁選が近づき、続々と議員が候補に名乗り出る中、彼が参謀を務めることとなったのは、新時代のリーダーと目される政治家・本多さやか外相だった。時を同じくして、新聞社のベテラン記者が静かに動き出す。聖も関わりのある、22年前に起きた大疑獄の可能性を秘めた事件に迫るために……。『ロッキード』も話題の著者がつぶさに描く選挙戦エンタテインメント!
■感想
選挙コンサルタントの聖は、与党の次期総裁選で2番手候補の本田さやかの選挙参謀となる。これまでのシリーズのパターンは、負け筋の候補者を聖が引っ張り上げて当選させる過程の面白さが描かれていた。今回は普通に当選する可能性が高い候補者を聖は選んでいる。
すでに聖のキャラ付けができているので、他の候補者や永田町の界隈では聖が誰につくかが大きな話題となったりもする。女性初の首相となるのか。聖の巧妙な駆け引きの真の目的は最後までわからないのだが、かなり衝撃的な真実が隠されている。
今回はベテラン新聞記者のパートがポイントだ。出所不明の大スクープがベテラン記者の元に送られる。記者のスクープ合戦はひりつく緊迫感がある。20年以上前の事件から現代にまでつながる事件。総裁選の候補者に関係するスキャンダルということで、聖の過去も明らかとなる。
新聞記者の物語は強烈な面白さがある。スクープを手にしたいという熱量と、情報を小出しにする検察官。あえて、マスコミに情報を流すという手段をとり、正義を全うしようとする検察側の心意気もよい。
ラストは驚きの展開となる。なぜ聖が当選確率の高い本多の選挙参謀となったのか。実は聖は本多を当選させようとしたわけではない。過去の事件のスクープと、もう一つの衝撃的なスクープはすさまじいインパクトがある。日本の総理大臣になろうとする議員にはありえないスクープだ。
ベテラン記者や週刊誌のスクープなども含め、政治家たちはマスコミの動きに翻弄されることになる。今回の聖の能力の高さが描かれているのは、総裁選の票読みくらいだろうか。
強烈なインパクトのある作品だ。