トッツィー


 2022.6.13      ダスティン・ホフマンの女装は最高だ【トッツィー】

                     
トッツィー [ ダスティン・ホフマン ]
評価:3

■ヒトコト感想
マイケルを演じるダスティンホフマンがすばらしい。売れない役者が金を手に入れるため女装をして病院のドラマに出ようとする。マイケルの女装したドロシーの姿はまるっきり女性だ。そもそもマイケルはきゃしゃで背が低いというのはあるのだが、ドロシーのなりきり具合がすさまじい。

ドロシーのズバリと真を突く発言が人気となり、ドラマは大ヒットしドロシーは人気者となる。最高なのは、共演者のおじさんから言い寄られたり、共演者の美しい女性の父親に求婚されたり。マイケル本人が共演者の女性に恋をしたは良いが、相手からはレズだと思われたり。ラストで、生ドラマを良いことにそこで自分は男だと暴露するシーンは最高だ。ドロシーに求婚していたおじさんたちの表情もまた良い。

■ストーリー
俳優マイケルは向こう気の強さからニューヨーク中のプロデューサーを敵に回し、さっぱり仕事が回ってこない。窮地に立ったマイケルは、女装し“ドロシー"と名乗ってオーディションに出場、見事大役を勝ち取る。すべてがトントン拍子に進んでいたが、共演者のジュリーを好きになったことから思わぬ展開に・・・。

■感想
マイケルは売れない俳優の典型だ。こだわりが強く、何かと演出にも口をだす。そのくせ、オーディションには落ちてろくな仕事がない。同僚の女性たちも同様に、売れない俳優の典型といったパターンだ。そんな中で自分たちの舞台を行うための資金調達手段として病院のドラマのオーディションに申し込む。

おばさんの役だが同僚の女性が落ちたことに怒り、マイケル自身がオーディションに挑むのだが…。マイケルはドロシーとなり挑む。ドロシーの女性らしくないきつい物言いが評価されドラマに出演が決定する。

ドロシーは型破りな演技で人気となる。プロデューサーと衝突したとしても、それすらも人気の理由となる。ドロシーが独り歩きすると、周りもファンができてくる。そして共演者からは求婚されたりもする。客観的に見ると、確かにドロシーは男には見えない。

ただ、魅力的な女性とも思わない。マイケルとして戸惑いながらもドロシーの人気にのっかるしかない。ドラマを早く降板したいと考えつつも、人気があるからそれもできない。いっそ、ドロシーは死んだことにしようとまで考えている。

秀逸なのは、ドロシーを巻きこんだ恋愛関係だ。ドロシーが男と知らず求婚するおじさんたち。マイケルとして恋した女性からは、ドロシーを同姓の友達として一緒のベッドで寝たりもする。マイケルとして恋をしていることを相手に伝えても、ドロシーがレズだと勘違いする。

ドロシーの性的趣向を尊重しつつも、きっぱりと断る美女が良い。ラストでは生ドラマでドロシーが自らカツラをとり自分が男だと暴露する。それもドラマの設定に合うような巧みな誘導でだ。

ダスティンホフマンの演技は最高だ。



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