2022.4.8 富裕層と貧困層の分断が激しい未来【トータル・リコール】
トータル・リコール
評価:3
■ヒトコト感想
シュワちゃんのトータルリコールとは別物。コリン・ファレル主演での近未来ものとなっている。ストーリーはシュワちゃん版を踏襲しているのだが、シュワちゃん版ほどの当時としては癖のある近未来ものとしてのインパクトはない。すばらしいCGでファイナル・ファンタジーの世界のような近未来感がすばらしい。ただ、今の時代にこれを見せられてもそこまでインパクトはない。
労働者と富裕層という二極化した世界の中で、労働者側へスパイとして送り込まれたダグラス。本人が知らない間に記憶に情報を埋め込まれ、ダグラスが自分の記憶を探りながら真実を見つける物語だ。記憶操作の描写がすばらしく、近い将来同じようなことが現実でもできるのでは?と思わせる流れだ。
■ストーリー
近未来。地球の表側には富裕層、裏側には労働者層が住み、世界は真っ二つに分断されていた。労働者たちは地球の“コア"を通って通勤し、機械のコマのように働いて搾取されるだけの日々。将来の希望も持てない彼らは、好みの記憶を買って自分の記憶に上書きすることで憂さを晴らしていた。ダグラス・クエイド(コリン・ファレル)もそんな労働者のひとり。美しい妻を持ちながらも、工場で働くだけの毎日にふと嫌気が差し、人工記憶センター“リコール社"を訪れる。
彼が心に秘めた夢は“スパイ"。だが、記憶が書き換えられようとしたその時、突然、知らない自分が目を覚ました! これは一体どういうことなのか? 本当の自分の記憶はどこに・・・?自分さえも信じられぬまま、ダグは階級社会を覆し、世界の運命を変える戦いへと巻き込まれていく-。
■感想
未来の労働者は憂さ晴らしのために記憶を買って自分の記憶に上書きするらしい。かなり特殊な状況だ。それが体に良くないと知りながら辞めることができないのは、酒に近いのかもしれない。分断された世界の中で富裕層は既得権益を守ることを考える。
対して労働者は、革命を起こそうとする。上と下というわかりやすい分断が物語として面白い。そして、ダグラスが実はリコール社からのスパイではないか、という流れがある。終始何が真実かわからない状態となっている。
ダグラスにはどんな秘密が隠されているのか。ダグラス自身も理解していない。富裕層側からのスパイとして、ダグラスの記憶を労働者側が解析しようとした瞬間に、富裕層側にその情報が伝わってしまう。瞬く間に富裕層側の兵士が押し寄せ、革命のリーダーは殺されてしまう。
記憶を探る機器がまたすばらしい。わかりやすく映像で見せてくれるので、理解はしやすい。ただ、この手の近未来の映像というのはわかりやすいが、あちこちで使われつくしたような映像なのかもしれない。
激しいアクションがある。オリジナル作品のシュワちゃんに負けないほどコリンファレルはすばらしいアクションをしている。本作で印象的なのは、富裕層側の兵士だ。どこかスターウォーズのストームトルーパーを連想させる見た目をしている。
どちらかと言えばストームトルーパーをさらに洗練して進化させたような感じだろうか。スマートウォッチ的なもので爆弾を起動させたり。スターウォーズとは違ったベクトルではあり、近未来のごちゃごちゃとしたビルが印象的な作品だ。
オリジナルと比較すると、インパクトはオリジナルの方が強い。
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