東京ゴッドファーザーズ


 2022.4.26      3人のホームレスの元に赤ちゃんがやってくる【東京ゴッドファーザーズ】

                     
東京ゴッドファーザーズ [ 江守徹 ]
評価:3

■ヒトコト感想
ホームレス3人組の目の前に、捨てられた赤ちゃんが現れる。この赤ちゃんをめぐり3人のホームレスたちが右往左往する。家族をすてたおじさん、オカマ、家出した女子高生。この3人のホームレスが、清子と勝手に名付けた赤ちゃんの親を探し出そうとする。クリスマスの時期に雪がふる東京。ホームレスたちの悲哀というか、家族関係がうまくいかない者たちが、ひとりの赤ちゃんのために必死になる。

ミユキは単純な家出ではあるが、父親が刑事というのもポイントだ。人生に悲観し死を選択しようとする者もいる。ホワイトクリスマスで、汚らしいホームレスたちが主人公といのがミスマッチだ。世間の浮かれる中で、ひっそりと事件が起きているということなのだろう。

■ストーリー
ギンちゃん、ハナちゃん、ミユキ――。新宿で暮らすホームレス3人組の前に、意外なクリスマス・プレゼントがやってきた。ゴミの山から生まれたばかりの赤ちゃんを発見したのだ。勝手に“清子"と命名し、ゴッドファーザー(名づけ親)となった3人は、雪降る街を、親を探してさまよい歩く。ウラ東京で、人生を生き抜くホームレスたちが、急転する「運命」の中で出会う<奇跡>とは。

■感想
ホームレスの目の前に捨てられた赤ん坊がいた。清子と名付け、ホームレスたちで育てようとするのだが…。おじさんにオカマに女子高生であれば、赤ちゃんにミルクをあげることもできない。この3人のホームレスの関係が秀逸だ。

特に赤ちゃんを抱いて必死で走り回るミユキは、父親との関係が悪く家出をした結果ホームレスとなっている。それが、赤ちゃんの行方不明時間ということになり、父親とあちこちで遭遇したりもする。物語がすすむにつれて、それぞれがどのような理由でホームレスになったかが語られている。

ギンちゃんは、元競艇選手であったが八百長を受け入れたことで家族が崩壊する。その結果、ホームレスとなるのだが…。結局はギンちゃんがどこまで本当のことを言っているのかわからない。オカマのハナちゃんにしても、オカマバーを辞めて男と暮すことになったのだが、その男が死んだことにより、ホームレスへと転落していく。

それぞれの人生には事情があるのだが…。清子という赤ちゃんがきたことにより、全員が少し人生について前向きに考えるようになっている。

雪降る町中でホームレスの3人が赤ちゃんを抱いてさまよい歩く。赤ちゃんの母親と思われる女に赤ちゃんを奪い取られてしまう。かなり昔のアニメではあるが、絵が独特であり、まだ時代的には明るい兆しがあったのだろう。

今のようにコロナで社会全体が疲弊してくると、本作のような流れもあるのかもしれない。強烈なインパクトはないのだが、ホームレスたちのちょっとしたインパクトあるドタバタ劇が面白い。人生に悲観したとしても、どこかで人間は折り合いをつけられるようになっている。

独特なキャラクターたちが最高だ。



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