沈黙の復讐


 2022.9.7     敵の敵は味方となる【沈黙の復讐】

                     
沈黙の復讐
評価:3

■ヒトコト感想
スティーヴン・セガール主演のいつものパターンの作品だ。今回はロシア人とギャングの対決の中に、麻薬捜査部隊として参加する。主役のボビーはいつもどおり圧倒的な格闘能力で他者を制圧している。悪がギャングで、ロシアの麻薬組織のボスはそれなりに筋を通している。ボビーはギャングを追いかけつつも、ロシアの麻薬組織を殲滅しようとするのだが…。

麻薬組織のボスの家族がギャングに殺されたことで、ボスの復讐の怒りが爆発する。ボビーとロシアの麻薬組織のボスの利害が一致し、ちょっとした友情物語のような感じになっている。ボビーはロシアのボスの手助けをするような感じでギャングたちを殲滅している。序盤でのボスとボビーのヒリつくようなやりとりから様変わりしている。

■ストーリー
国際麻薬捜査部隊に所属しているボビー(スティーブン・セガール)は、バルカン半島諸国中で不正取引されている銃と麻薬を取り締まるため、ルーマニアのブカレストに配属されることになった。同じ部隊のアクセルとボビーのチームは、ロシアの銃密売人を調査している中、ギャングとロシア人達が血まみれになって争う現場に遭遇する。そこで最悪の事態が起こった。チームの一員が抗争に巻き込まれ命を落としたのだ。「仲間を殺した奴は絶対に許さない!!」怒りがMAXに達したボビーは“復讐”を誓い、冷酷な戦術で犯人を追い詰めていく -。

■感想
ボビーは圧倒的な武力でギャングや麻薬密売組織を壊滅させようとしている。序盤ではボビーの横暴な捜査により、チンピラたちが命がけの囮捜査をしたりもする。組織に裏切りとバレたら殺される。かといってボビーからの依頼を裏切ることはできない。

八方ふさがりな状態で、チンピラは渋々囮として動くのだが…。ここでロシアの麻薬組織のボスをいったんはボビーが逮捕するのだが、証拠不十分でボスは釈放されてしまう。ここでボスとボビーのヒリつくやりとりが良い。どちらも強気で相手にすごんでいる。

ギャングはロシアの麻薬組織と取引をするが、ここでも若干のトラブルがある。ロシアの組織をまったく恐れないギャングたち。傍若無人でボビーすらも手を焼くようなヤバイやつら。ここで、ロシアの組織とギャングが対立し、麻薬組織のボスの家族がギャングにより襲撃されてしまう。

怒りのボスがギャングを殲滅しようとする。敵の敵は味方というような流れとなる。ボビーは序盤ではバチバチに対決姿勢を貫いていたロシアの組織のボスとボビー。それがいつの間にか協力体制となっている。

ラストは怒りのボスがギャングたちへの復讐をやりとげる。それまで犯罪組織を目の仇にしていたボビーは、なぜか同情の表情をみせ、ボス側に寄り添うようになる。いつものセガール作品の流れの中で、敵組織のボスにある程度のキャラ付けをするのが本作のポイントなのだろう。

家族を殺された怒りで動き出すボス。完全な悪という序盤の印象から、後半は家族思いの良い人物のように描かれており、ボビーが仲間となるのを正当化するような流れが出来上がっている。

セガールよりもロシアのボスの方が印象深い。



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