ザ・レポート


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 2022.11.29     捕虜への信じられないような拷問の数々【ザ・レポート】

                     

評価:3

■ヒトコト感想
9.11テロ事件が発生し、そこからテロを阻止するためにテロ組織の捕虜たちをCIAが独自に拷問をかけていたことについての物語。調査をまかされたダンが、CIAの膨大なメールや資料を5年間調査した結果、効果のない拷問が繰り返されていたと判明する。新しい政府となり、新しい環境となり当時のCIAがどうだったのか、というのを隠蔽しよとする勢力がある。

CAIが国民にひた隠しにする内容。政府とCIAには強固な結びつきがあり、保身からダンが作成したレポートを公表しないようにする動きがある。ダンはひたすら正義のために行動し続ける。そして、正しい形でレポートを公表しようとする。壮絶な拷問の描写はすさまじい。そして、効果がないにも関わらず、正当性を示すため効果を粉飾し始める。

■ストーリー
事実に基づいたスリラー作品。ある上院職員が、9.11テロ事件以後にCIAが行った尋問プログラムについて調査を進めると、CIAが国民にひた隠しにしていた残忍な行為の実情が明らかになっていく。

■感想
911テロ後に、再びのテロ発生を防ぐためにCIAは必死になっていた。情報収集のためにテロの容疑者を逮捕し情報を得ようとするのだが…。思うように情報が得られないことから、拷問にはしることになる。まずこの拷問の描写がすさまじい。

大音量の音楽と光を常にあてて対象者を眠らせないことから始まり、ついには水攻めまでも行う。激しい拷問により得られた情報としては、、すでにCIAが入手していた情報や、拷問から逃れるための嘘の情報を得るだけだ。この拷問の描写は見ていて辛くなってくる。

ダンは大量の情報の中で、当時のCIAや政府の誰が拷問を許可したかを調査するのだが…。要領をえないまま、いつの間にか決断した人がいない状態でなし崩し的に拷問が許可されていたとわかる。CIAとしては二度とテロを起こさせないためと、一度拷問を実行してしまうと、それが違法だと認識しているため必ず有効だと証明する必要がある。

CIAからすると、勝者が歴史を作るという感覚なのだろう。どのような拷問をしたとしても、その結果としてテロを防ぐ情報を入手できたとしたら、結果論だが暴行も正当化されたのだろう。

ダンの執念はすさまじい。上院議員との激しいやりとり、そしてCIAの幹部たちとの闘い。自分が5年をかけて作り上げたレポートがどのような結果となるのか。それが公表されずに闇に葬られるのか。裏でレポートをマスコミに流すという手段があったとしても、決してそれを選択しない。

あくまでも正しいルートでレポートを世に出そうとする。なんとなくだが、本作を映画化したことで、アメリカは自分たちの過去の恥ずかしい出来事すらもしっかりと見直す国民だと言いたいような気がした。

ダンの執念がすさまじい。



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