ザ・ミスフィッツ


 2023.8.12    中東の富豪がいればそれで良いのでは?【ザ・ミスフィッツ】

                     
ザ・ミスフィッツ【Blu-ray】 [ ピアース・ブロスナン ]
評価:3

■ヒトコト感想
犯罪のプロフェッショナルたちが、極悪人から金を盗んで貧しい人々に金を分け与える、という昔からあるパターンの作品だ。この手の作品では、個々の犯罪者の個性に作品の成否がかかっている。舞台は中東の私営刑務所。砂漠の中に豪華な設備やセレブな展開が目白押しで、いかにもな雰囲気がある。盗みのプロのペイス。爆弾のプロや格闘のプロ。

この中にITのプロがいないのと、中東の富豪が入っているのが意外だ。中東の富豪がいる時点で、犯罪集団を使わなくとも、うまく極悪人から大金を盗んでテロを防げるのでは?と思ってしまった。完璧なセキュリティが完備されている私営の刑務所から大量の金の延べ棒を盗み出す。コンゲーム風な雰囲気はあるのだが、どうにもしっくりはこない。

■ストーリー
凄腕の犯罪プロフェッショナル集団「ミスフィッツ」。極悪人を騙して大金を盗み、恵まれない人々に分け与えることをモットーとする彼らは、多くが謎に包まれた現代の義賊的存在だ。そんな彼らの次のターゲットは、凶悪テロリストの資金源となっている大量の金塊だった。金塊が隠されているのは、中東の砂漠に隠された最強セキュリティの私営刑務所。

今回の任務が一筋縄ではいかないことを悟った彼らは、一匹狼で伝説的な盗みのスペシャリスト、リチャード・ペイス(ピアース・ブロスナン)を半ば強引に誘い、ドリームチームを結成する。テロリストに資金が渡るまでのタイムリミットは残り僅か…果たして彼らは無事に金塊を盗み出すことができるのか?

■感想
序盤は個々の犯罪者の紹介が描かれている。主役であるペイスは盗みのプロではあるが、そこまで個性があるわけではない。中東の富豪が、私営刑務所から資金を盗み出すためにペイスをリーダーに選ぶ。ペイスを仲間にするためにかなり大掛かりな仕掛けを作っている。

ペイスの娘が仲間に入っており、メンバーは個性豊かではある。基本は姿を隠し変装し、私営刑務所の経営者でペイスと因縁のある男に気づかれないまま金塊を盗み出す。全体としてセレブ感の強い作品となっている。

犯罪プロフェッショナル集団は、爆弾のプロ、格闘のプロ、それ以外は何のプロかわからないが、中東の王子、黒人、ペイスの娘という陣容となっている。メインは変装して私営の刑務所に入り込み金塊を盗み出すことなので、爆弾のプロが床を爆破している。

それ以外はとりたてて特殊なプロとしての成果を示すことができていない。せっかくのプロフェッショナルが活きていない。特別な能力がなくペイスの言う通りに計画を実行しているような雰囲気すらある。

中東の私営刑務所の署長は極悪人という設定だが、傍目ではそうは見えない。刑務所からペイスが脱走したので、ペイスをひたすら追いかけ続ける。金塊は盗まれないように強固なセキュリティに守られている。

ペイスに出し抜かれ、最後にペイスたちを追い詰めたかと思うと、中東の王子の施設軍隊に囲まれてしまう。正直、中東の王子がいれば、最初から軍隊と資金をつかって悪人を追い詰めることはできたと思えて仕方がない。セレブ感の強さは最後まで貫いている。

犯罪集団の個性が弱い。



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