2023.7.1 情報屋の八方ふさがり具合がすさまじい【THE INFORMER 三秒間の死角】
THE INFORMER 三秒間の死角 [ ジョエル・キナマン ]
評価:3
■ヒトコト感想
FBIの情報屋となったピートが潜入先のマフィアとのトラブルで絶体絶命のピンチに追い込まれていく。FBIのウィルコックスとその上司のモンゴメリーは自分たちの立場を守ることに必死となる。結局、犯罪歴がありの情報屋のピートはFBIにとってはいつでも切れる存在ということだ。ピートは周りの動きに翻弄され、刑務所に戻り薬物の取引を命令されるなど、八方ふさがりな状態となっている。
マフィアにも狙われ、刑務所の中では対立するチームに命を狙われる。FBIからは秘密を握っているということでその存在を握りつぶされようとしていた。NY市警の刑事からは殺人事件の容疑者として追われる。妻子を人質にとられるなど、もうどうにもできない状態だ。ここから抜け出すピートのパワーがすさまじい。
■ストーリー
自由の身と引き換えに、FBIの情報屋になったピート・コズロー(ジョエル・キナマン)は、最後の任務を迎える。潜入先のマフィアのボス“将軍"の麻薬取引現場にFBI捜査官ウィルコックス(ロザムンド・パイク)を導き、組織を一気に壊滅させるのだ。成功すれば、愛する妻(アナ・デ・アルマス)と幼い娘との幸せな暮らしが待っている。ところが、取引現場でマフィアの仲間が取引相手を射殺してしまい、作戦は中止になってしまう。
さらに、その取引相手が潜入捜査をしていたNY市警の警官だったことが判明する。NY市警の追跡をかわすため、将軍は仮釈放中のピートに、刑務所に戻って内部の麻薬取引を仕切れと命令する。断れば妻子の命が危ない。一方、ウィルコックスの上司モンゴメリー(クライヴ・オーウェン)も将軍の案に乗ってきた。刑務所内の取引を立証して将軍を葬れば、すぐに釈放させると言うのだ。やむなく刑務所に舞い戻り、将軍の手先と麻薬組織を立ち上げつつ、FBIにリークする関係者を探り始めるピート。
だがその頃、殺された警官の上司グレンズ(コモン)が、執念の捜査からピートにたどり着いていた。そんな中、事態が急変。ある重大なトラブルから、ピートはFBIに切り捨てられ、マフィア、NY市警、刑務所の看守、自分を取り巻くすべての組織から命を狙われることに!絶対絶命の崖っぷちで、ピートは気づく。唯一逃げられる一瞬の死角があることに──果たして、ピートの脱出劇の行方は?
■感想
情報屋のピートはマフィアの巨額な薬物取引の場を用意し、FBIと連携しマフィアのボスを逮捕しようとしたのだが…。NY市警の警察に邪魔され、さらには刑事を仲間が殺したことで八方ふさがりになる。ポイントはピートを情報屋として使っていたFBIだろう。
ウィルコックスはNY市警の刑事が殺されたことで動揺する。ピートのことを知るのはウィルコックスと上司のモンゴメリーだけ。NY市警の刑事はFBIが事件に関わっているとかぎつけ調査し始める。となるとモンゴメリーは逃げ腰となり、自己保身に走りピートを切り捨てようとする。
ピートは絶体絶命だ。マフィアからは刑務所に入り、そこで薬物売買の販路を作れと言われる。FBIは守ってくれるどころか、刑務所での販路の情報を元にマフィアのボスを逮捕しようとする。ピートからするとなぜ自分が刑務所にはいらなければならないのか。
マフィアからは脅され妻子の命に危機がおとずれる。FBIは守ってくれない。NY市警からは目をつけられる。ピートの選択肢は何を選んだとしても失敗するような流れだ。妻子の命を守るため刑務所に入るのだが…。そこでは対立組織から命を狙われたりもする。
最もイライラするのはFBIだ。自分たちがピートと繋がる証拠を隠滅し、ピートを切り捨てる。あまつさえ、ピートが自分を守るために刑務所で人質騒ぎを起こした際には、口封じのためのピートを殺そうとする。主犯でもあるウィルコックスが、最後にはすべての責任をモンゴメリーに押し付けて、自分だけ逃げ切っている。
ピートはギリギリ助かり、妻子も無事。モンゴメリーだけが管理者として逮捕されてしまう。ウィルコックスがすべての元凶のような気がしたのだが…。
ピートの八方ふさがり具合はすさまじい。
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