The ICEMAN 氷の処刑人


 2023.12.8    マイホームパパが実は冷酷な殺人マシーンだった【The ICEMAN 氷の処刑人】

                     
THE ICEMAN 氷の処刑人/マイケル・シャノン,ウィノナ・ライダー,ジェームズ・フランコ,アリエル・ブロメン
評価:3

■ヒトコト感想
実在した殺し屋を描いた作品。家庭では良き夫で家族や娘たちに囲まれて平穏な生活を過ごしていたリチャードだが、実は恐ろしい殺し屋だった。リチャードが恐ろしい殺し屋になるまでの経緯も描かれている。リチャードはマフィアから殺しを依頼されてから殺し屋になったのではなく、実は素人時代も気に入らない人物を、表情ひとつ変えずに殺害していたようだ。

根っからの殺し屋な雰囲気がある。長身でむっつりとした表情をしている。ぱっと見は何を考えているかわからない。妻と2人の娘を溺愛し、家族の幸せを何より考えるマイホームパパ。死亡時刻をごまかすために冷凍保存したことからアイスマンと呼ばれ100人以上を殺害したというのは強烈だ。

■ストーリー
1960年代、米・ニュージャージー。最愛の妻と2人の娘に囲まれて、何不自由ない幸せな生活を送っていたリチャード・ククリンスキーには、家族すら知らない驚くべき秘密があった。家庭ではよき夫、よき父親として近所でも評判の彼の職業は、一流の“殺し屋"だったのだ―。86年に逮捕されるまでの約20年間に、彼が奪った命は100人以上と言われている。依頼された殺しをTPOに合わせ、銃殺、刺殺、薬殺、扼殺―と1件ずつ丁寧に遂行し続けた。

被害者の死亡日時をごまかすために死体を冷凍保存して遺棄したことから“アイスマン"の異名をとった彼は、善悪ふたつの顔をどのように使い分けていたのか。家族は、なぜ彼の秘密に気づかなかったのか。ククリンスキーの心の闇をえぐった本作は、人間という生き物の大いなる謎を突きつける正真正銘の衝撃作だ。

■感想
最初はごく普通の生活をし、子供たちと幸せな生活を送っていた。ただ、そんな日常でのリチャードは気にいらない人物をひそかに殺害していた。そこから、マフィアに目を付けられ殺し屋としての依頼をこなすことになる。

恐らくはリチャードには天職だったのだろう。人知れず、殺害し痕跡を残さない。マフィアから指示された人物を何の感情もなく殺害できるのはもはや才能としか言いようがない。家族には為替の取引の仕事をしていることにして、リッチな生活をし友人たちと楽しく過ごしている。

家族との日常と殺し屋の顔がまったく異なるのが印象的だ。様々なトラブルがあり、結局はマフィアから殺し屋を引退しろと言われる。普通ならこれで足が洗えると喜ぶはずなのだが…。リチャードは家族との生活のために金が必要となり、殺し屋の仕事をひそかに再開する。

そして、マフィアの部下をこっそりと殺したりもする。痕跡を残さない薬品を使い心臓麻痺と思わせて殺したり、相棒が死体を冷凍していたことをマネして死体の死亡日時をごまかす方法を活用したりもする。

リチャードの殺し屋生活も終わりを告げる。リチャードが一番辛いのは家族に自分の正体を知られることなのだろう。警察の囮捜査にひっかかり逮捕されてしまう。それまでは敵対するマフィアに雇われた別の殺し屋をしっかりと撃退したりと用心深いリチャードが、金に目がくらんであっさりと逮捕されてしまう。

裁判では終身刑であり獄中死している。家族のショックは相当なのだろう。リチャードが収監されてから一度も面会に来ていないのがその証拠だ。

実在の人物というのが衝撃的だ。



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