テスラ エジソンが恐れた天才


 2023.1.28     テスラには経営者の視点がなかった【テスラ エジソンが恐れた天才】

                     
テスラ エジソンが恐れた天才 [ イーサン・ホーク ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
電気を発明したことで有名なのはエジソンだ。ただ、実はエジソンよりも世界の科学の発展に貢献したのはテスラだと言われている。テスラの存在が現代の繁栄につながっているのだろう。特に発電機はテスラの貢献が大きい。作中ではエジソンは、発明家としてだけでなく経営者としての能力もあると描かれている。また、ほとんど眠ることがないため、テスラを含めた部下たちは必死でついていくというような感じだったのかもしれない。

資金不足となりテスラ自身の研究に没頭できない。支援者から支援を募るのだが…。真の天才はエジソンではなくテスラなのだろう。ただ、天才の発想だけでなく、先立つものがなければダメだということだ。

■ストーリー
彼がいなければ、世界は100年遅れていた――。1884年、移民としてニューヨークへやってきて、憧れのエジソンのもとで働き始めたテスラだが、直流か交流かで対立し訣別する。独立したテスラは、実業家ウェスティングハウスと手を組み、シカゴ万国博覧会でエジソンを叩きのめす。時代の寵児となったテスラは、大財閥J・P・モルガンの娘アンと交流し、モルガンから莫大な資金を得て、「無線」の実現に挑戦する。だが、研究一筋の繊細な心が、実業界や社交界と不協和音を奏で始める――。

■感想
世界の科学の発展に貢献したのは、エジソンではなくテスラだった。序盤ではエジソンがテスラを部下に従えて、研究をすすめているという描写があった。その際に、エジソンがほとんど眠らずに仕事をしているので、部下たちも自然にそうなっていき疲弊していく。

エジソンは直流電流を推進しており、テスラが交流を推進している。当初、エジソンは交流は危険な技術という考えでいたのだが、テスラが交流で結果をだすと、そこから一気に交流に考え方を変えていくことになる。

テスラが発電機の設計をすべて自分で行っているということに驚いた。水力発電での貢献はすさまじい。テスラがいなければ、発電事業はまったく先へ進まなかったのだろう。大財閥のモルガンから支援を受けて無線通信にも挑戦する。

電気関連の発明だけかと思いきや、実は無線機器などにも精通していることに驚いた。畑違いの分野であっても、世界が大きく変わるのであれば、それにチャレンジすることになる。強烈なインパクトがあるのは間違いない。

エジソンは電気を作り上げたことで有名となっている。実はテスラの方が後世に影響を与えているのだが、経営者としての視点がないことがエジソンとの違いなのだろう。資産家から支援を受けるが成果を出せずにいると支援を打ち切られる。

テスラが語るのは夢物語で、実現すれば素晴らしいことなのかもしれないが…。テスラの頭の中では完成品ができあがっているのだが、それを実現するための資金と時間が足りないということなのだろう。その点、エジソンは現実路線だったということだ。

天才が必ずしも評価されるわけではない。



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