テーラー 人生の仕立て屋


 2024.4.10    くそ真面目な仕立て屋がドレスを作る【テーラー 人生の仕立て屋】


                     
テーラー 人生の仕立て屋 [ ディミトリス・イメロス ]
評価:3

■ヒトコト感想
ギリシャのアテネで老舗のテーラーを営む寡黙なニコス。経営不振で店を銀行に差し押さえられ、父は倒れる。経営再建のためニコスが選んだ手段は…。露店での移動仕立て屋だった。高級な生地でオーダーメイドのスーツを手作りする。露店でスーツの仕立てというのは無理がある。客層が違いすぎており、客はニコスの対応に戸惑うばかり。

真面目なニコスが値切られて困惑する場面が良い。様々な客の要望を聞いていくうちに、最終的にはウェディングドレスを作るまでにいたる。スーツは需要がなく、ウェディングドレスに需要があるというのがよくわからないのだが…。畑違いのドレスを作ることに戸惑いながらも、ニコスの露店が流行り始めるのは見ていて心地よい。

■ストーリー
アテネで36年間、高級スーツの仕立て屋店を父と営んできた寡黙なニコス。だが不況で店は銀行に差し押さえられ、父は倒れてしまう。崖っぷちのニコスは店を飛び出し、手作りの移動式屋台で仕立て屋を始める。だが道端で高級スーツは全く売れず、商売は傾く一方・・・。そんな時、思いがけないオファーがくる。「ウェディングドレスは作れる?」これまで紳士服一筋だったニコス。思い切ってオーダーメイドのドレス作りを始めるが―! ? 一歩を踏み出した生真面目な仕立て屋。彼が作る色とりどりのドレスが、新たな出会いと幸せを繋いでいく、希望溢れる感動作!

■感想
手作りのスーツを仕立てる。よっぽどのおしゃれかセレブではないと、手が出ない部分だろう。アテネで高級スーツを仕立てるニコス。ギリシャが不景気というのもあるのだろうが、高級オーダースーツは流行らないのだろう。

銀行へのローンが払えないということで、店を差し押さえられる危険がでてきた。ここでニコスが考えたのは、露店でオーダースーツを売ることだったのだが…。屋台を引いて生地とスーツの見本を持ち歩いて路上でオーダースーツを売る。さすがに無理があるだろう。来る客来る客が、その値段の高さに驚いている。

父親からは露店をやっていることを情けないといわれるのだが…。背に腹はかえられないと、ニコスは売れ筋の主婦向けの服を作ることになる。紳士服のテーラーが女性向けのワンピースを作る。これが思いのほか好評となるのだが…。

近所の主婦がワンピースを作ることに熱心になる。寡黙で真面目でスーツをピシッと着こなした紳士が婦人服を路上で売っているのが違和感があるのだが…。近所の子供も手伝ってくれたために、女性向けのワンピースが飛ぶように売れていく。これが時代の流れなのだろう。

ひょんなことからウェディングドレスを作ることになるニコス。これが噂を呼び、次々とドレスを作るニコス。オーダーで自由に好みを反映させることができ、なおかつディスカウントもしてくれる。金がない場合は、現物支給もあり。

魚屋の娘のドレスを作る場合は、200ユーロ+新鮮な魚というのがなんとも良い。テーラーとしてはつぶれるかもしれないが、ニコスは天職を得たのかもしれない。女性の要望を聞きながら好みのドレスを作る。移動式で青空の下で試着するというのが最高だ。

ニコスの寡黙で苦み走った表情が印象的だ。



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