黄昏のアントワープ 


 2024.1.23      ワインを求めるフランス旅 【黄昏のアントワープ】


                     
黄昏のアントワ-プ /海竜社/辻仁成
評価:2
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■ヒトコト感想
辻仁成が旅をして料理やワインを飲むエッセイだ。家族を連れてのフランス旅。時期的には中山美穂と結婚し日本で騒がれていた時期なのだろう。フランスに退避した際に、そこで旅をしてフランスを満喫する。作者はミシュランの三ツ星を目指すシェフとアシスタントの恋愛物語である「いまこの瞬間 愛しているということ」を描いている。

このエッセイでも語られているが、フランスでの旅が影響していることは間違いない。ワインへのうんちくや旅先での素晴らしい料理に出会ったことまで。小難しい話が続いたりもする。また、特別なレシピが描かれていたりもする。フランス料理やワインに興味がある人は間違いなく読んだ方が良いだろう。

■ストーリー
旅とは、人生そのものだ。命あるかぎり、旅をしよう。過去と折り合い、未来を生きるために。思い出と和解し、今を喜ぶために。「歩け、呑め、喰え」を合言葉に、辻仁成が家族とともに歩いた旅の記憶と記録。

■感想
有名なロックバンドのボーカルであり、小説家としても有名な作者が、これまた有名な人気女優である中山美穂と結婚した。そのニュースは日本中で話題となり、日本で生活することが困難となったのだろう。

奥さんが仕事を辞める決意をすれば、作家である作者はどこでも仕事ができる。ということでフランスに移住しフランスでの旅をつづけたのだろう。家族でフランスを旅する。どれだけ語学ができるかわらからないが、海外で妻が妊娠した状態で旅をするというのはかなり思い切った行動だろう。

子供が小さい状態でもフランスのあちこち旅をして、未知の料理に出会う。作中では子供が現地の人々とすんなりと溶け込むさまが描かれている。おそらくだが、子供はネイティブなフランス語を話せるようになっているのだろう。

旅先で素晴らしい料理に出会い、そして、そこでしか味わえないワインを飲む。作中ではミシュランの星を持つような店のシェフとの交流が描かれている。ミシュランの星がどのような意味合いで作られたのかは初めて知った。タイヤメーカーであるミシュランがなぜ?ということの正しい回答だろう。

フランスでワインの専門家である林氏との交流が描かれている。自分的にはワインに詳しくないので、ビンテージワインのおいしさというのは理解できていない。数十年前に作られたワインを飲む。コルクが劣化しかなり特殊な味がするのだろうが、それがワインのおいしさとなるのだろう。

高価なワインを大量に保管し、顧客に提供する。ワインに対する知識と、それまでにワインを飲み続けた経験。一般人には到底理解できないレベルまで高まっている。

かなり特殊なエッセイということは間違いない。



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