TANG タング


 2023.7.16    妙にきれいな背景と真っ青な空【TANG タング】

                     
TANG タング [ 二宮和也 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
大事な場面で決断できず、妻に愛想つかされたダメ男の春日井。家の庭に突然現れたロボットのタングと、思いもしない冒険をすることになる。まずタングのビジュアルだがロボットのブリキのおもちゃのような見た目が良い。見た目に反して、中身は自動で教育する最新のAI技術が詰まっている。タングと春日井の歪な友情物語のような感じだ。

序盤では家を追い出された春日井が、タングを修理するために様々な場所を尋ねる。春日井はタングをやっかいもの扱いとしていたのだが、いつの間にタングが大事な存在となっている。どちらかというと、ペットのようなイメージだろうか。CGをふんだんに盛り込み、全体として妙に明るくキレイな映像となっている。

■ストーリー
ある理由から、自分の夢も、妻・絵美との未来も諦めてしまったダメ男・春日井 健(かすがい けん)。ある日、健の家の庭に突然現れたのは、記憶をなくした迷子のロボット、タング。初めは時代遅れの旧式のタングを捨てようとする健だったが、タングが失った記憶には、世界を変えるある秘密が隠されていた。謎の追っ手が迫る中、大人とロボット、ふたりの迷子が大冒険の先に見つけた《人生の宝物》とは?キミとなら、きっと大丈夫。ふたりが見つけた宝物に、日本中が笑顔と優しい涙に包みこまれる。

■感想
ブリキのおもちゃのようなタングは、常に学び成長していく。見た目と幼稚園児のようなちょっとわがままな感じが愛らしさを生み出しているのだろう。春日井のようなダメ男からすると、最も関わり合いたくないタイプかもしれない。

ダメ男は自分よりダメな存在を許せないのだろう。妻と春日井の関係は最悪だ。無職でありながら家のことは何もしない。ヒモのような存在であり、何かと言い訳をしながらのらりくらりと生活している。まさに家を追い出されるのも当然の人物だ。

タングを狙う謎の組織がある。タングの修理を依頼しようとあちこちを移動している春日井とタング。そこでタングが何者かにさらわれてしまう。ダメ人間の春日井であれば、しょうがないと諦めるところなのだが…。少しづつ変わっているのだろう。

タングの面倒を見ることで春日井が成長している。決断力のない男がラストではタングを助けるために決断をする。全体として軽いタッチの物語だ。戦闘用のロボを作る中で突然変異でタングが生まれた。自ら情報収集し学んでいくAIとなると人間と同じように思えてしまった。

作品全体として妙に真っ青な青空とキレイな風景が続いていく。近未来という設定もあるのだろうが、ほぼすべてがCGで描かれているのだろう。タングもCGであるのだが、かなりなめらかでCGののっぺりとした感じがいっさいない。

妙にキレイな風景をリアルな映像にしたとしても、タングの滑らかさは変わらないのだろう。ここまでCGが進化していくと、そのうち俳優もすべてCGでも誰も気づかない可能性がある。キレイすぎて違和感を覚えたのだが…。撮影時に曇天であってもCGで晴天にするのはたやすいのだろう。

ストーリーはありきたりだが、CGがすさまじい。



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