ソラニン


 2022.8.24     序盤は売れないバンドマンの典型だ【ソラニン】

                     
【中古】 ソラニン スタンダード・エディション/宮崎あおい,高良健吾,桐谷健太,三木孝浩(監督),浅野いにお(原作)
評価:3

■ヒトコト感想
バンドで売れることを夢見る種田とその彼女の芽衣子の物語。やりたくもない仕事をしながら同棲していたふたり。将来をどうするだとか、音楽をどうするだとか。嫌な仕事をいつまで続けるのかなど。芽衣子がいち早く会社を辞め、同棲していた種田が生活に不安を覚えたりもする。青春の一場面というか、わかりやすい売れないバンドマンの日常なのかもしれない。

レコード会社から声がかかったのだが、アイドルのバックバンドということで断ったりもする。本作では種田と芽衣子の関係性や未来へ向かう道が見えた時に種田が事故死してしまう。そこから、芽衣子が種田の思いを引き継ぎ、バンドとして活動しようとする。ラストの展開は少し意外かもしれない。

■ストーリー
出会った頃のあたしたちは、心細くて不安もあったけど、いつもどこかでわくわくしてた。とにかくあの頃の空は、なんだかすっごく広かったんだ―――自由を求めて会社を辞めた芽衣子と、フリーターをしながらバンドを続ける種田。未来に確信が持てず、寄り添いながら東京の片隅で暮らす二人。だが、芽衣子の一言で、種田はあきらめかけた想いを繋ぐ。種田はバンド“ロッチ”の仲間たちと新曲「ソラニン」を完成させレコード会社に持ち込むが、反応のないまま日々は過ぎていく。そんなある日、種田がバイクで事故にあってしまう。遺された芽衣子は―――。

■感想
バンド活動に邁進し大学を卒業してからもバイトしながら音楽活動をする。売れないバンドマンの典型的な流れかもしれない。彼女である芽衣子と同棲し、お互い助け合いながら生活する。ただ、そこで芽衣子が仕事に嫌気がさして突発的に仕事を辞めてしまう。

そのことを知った種田は自分ひとりで芽衣子を養えるのかと不安になりプレッシャーを感じてしまう。この流れからいつまで音楽を続けるのか。どこまで音楽活動に力を入れるのかを迷うことになる。世間の売れないミュージシャンの大半は似たような流れなのかもしれない。

バンド仲間たちや、友達など芽衣子は周りに恵まれている。それでもイマイチ、バンドに集中できない種田や自分の将来などに悩む芽衣子。種田も同じく悩むが、そこで吹っ切れる出来事が起こる。種田が音楽に集中するためにバイトを辞める決断をする。

ある意味賭けなのだろう。退路を断つというのではないが、貯金で生活しあとは音楽活動に専念する。そのことで成果を早期に出そうとするのはよくわかる。本作も、その流れで種田はバンド活動に開花するかと思いきや…。

うまくいきかけた時に、何かがあるのは定番だ。種田が事故死する。バンドにやる気をだしかけた矢先でのショッキングな出来事。その結果、芽衣子はふさぎ込む。ここで本作の流れとして異質なのは、種田の意思を芽衣子が継いで、急造ではあるが芽衣子がギターを弾いてボーカルとして熱唱する。

なぜこのパターンとなるのかは微妙だが、種田の思いを引き継ぐのが芽衣子としてのけじめになるのだろうか。急遽ライブを行うことになり、そこで熱唱する芽衣子は熱い。

芽衣子の熱量は強烈だ。



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