隻眼の虎


 2023.12.1    巨大な虎とハンターの戦い【隻眼の虎】

                     
隻眼の虎
評価:2.5

■ヒトコト感想
山の神と呼ばれた朝鮮虎と伝説の男と呼ばれたハンターのチョン・マンドクの物語だ。簡単に言うと、巨大な隻眼の虎が暴れまわり、それに手を焼いた日本軍がマンドクを呼び出すという流れだ。マンドクと隻眼の虎は因縁があった。虎も人間も子供に対しての思いは同じだ。過去にマンドクが小さな子供の虎を逃がしてやったことがある。実はその小さな虎こそがのちの隻眼の虎だった。

マンドクの息子が隻眼の虎狩りにでかけた際に、隻眼の虎にやられそうになるのだが…。圧倒的な虎の描写がすさまじい。超巨大であり単純に銃弾を撃ち込むだけでは倒せない。マンドクのように急所を一発で仕留めることができなければ殺せないのだろう。雪山での虎と人間の対決だ。

■ストーリー
西暦1925年。朝鮮最高の猟師と謳われながらも、ある事件をきっかけに銃を捨てた“伝説の男"チョン・マンドクは、険しい智異(チリ)山の奥深く、息子と2人ひっそりと暮らしていた。一方、軍主導のもと<害獣駆除>に熱を上げる地元の猟師たちは、智異山の“山の神"とも“朝鮮虎の王様"とも畏れられる隻眼の大虎を仕留めようと躍起になっていた。しかし、人智を超えた知性と強靭な野生の肉体を前に次々と命を落とす人間たち。山が雪に閉ざされ、狩りが難しくなる本格的な冬を前に、なんとか“山の神"を仕留めたい軍と猟師団は、大量の人員と弾薬を投入し、いまだかつてない大規模な捕獲作戦の決行を決める。

彼らに協力を要請されたマンドクは「“山の神"を怒らせてはならない」と彼らに警告を発し、頑なにその求めを固辞していたが、いつしかその激しい戦いの渦に飲み込まれていくのであった……

■感想
朝鮮が日本軍に占領された時期の物語だ。狩人たちが虎狩りをしている。雪山の中で巨大な虎が人間に囲まれながら抵抗している。多勢に無勢でいくら巨大な虎であっても人間にはかなわない。小さな子供の虎までも殺す猟師団。

実はそれは隻眼の虎の家族だった。猟師団は日本軍の命令で虎狩りをしていた。このあたり、猟師たちは山の神である隻眼の虎に手を出すことに戸惑っている。ただ、日本軍の圧力により虎狩りをせざるお得ない。猟師としての生活を守るための戦いだ。

伝説の猟師であるマンドクには息子がいた。田舎でのうだつの上がらない生活から抜け出すため、山の神を撃ち殺しその毛皮で大儲けしようと考える。猟師団の中でひとりだけ子供がいる。隻眼の虎と出会うと、その圧倒的な迫力に怖気づいてしまう。

あっさりと隻眼の虎に殺されるかと思いきや…。マンドクの息子、つまりは子供を殺すことを虎が戸惑っているのが感じられた。大怪我をしたマンドクの息子はオオカミに連れ去られ、そのまま食料とされるかと思いきや…。

隻眼の虎の迫力がすさまじい。猟師団に囲まれたとしても一匹で猟師団を全滅させている。日本軍が入り込んだとしても対処できない。となるとマンドクの出番だ。マンドクと隻眼の虎の一騎打ちはあっさりとマンドクの勝利となる。

ただ、お互いに子供を失った者同士ということで、最後は崖から落下している。なんだかもの悲しい気分になる作品だ。隻眼の虎の迫力はすさまじい。猟師団がいくら銃弾を撃ち込もうともまったく倒れない隻眼の虎のタフさは強烈だ。

雪山での戦いは印象的だ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp