スキャンダル


 2022.12.2     キャスターがCEOを訴える【スキャンダル】

                     
スキャンダル
評価:3

■ヒトコト感想
2016年に実際に起きたスキャンダルを描いた作品。TV業界の帝王と呼ばれたFOXテレビのCEOロジャーを、キャスタ-がセクハラで訴えた。TV業界で成り上がりたい女性が色仕掛けをし、それを要求する立場の者もいる。当たり前に繰り返される習慣にメスを入れた訴えなのだろう。

ひとりのベテランニュースキャスターの告発は、最初は簡単に握りつぶされるかと思いきや…。次々と共感する者がおり、最後にはロジャーの周りには味方が誰もいなくなった。色仕掛けで出世した者は、自分の過去を否定されたと考え、ロジャーを支持したりもする。TV業界は華やかな世界だが、必ずしも実力第一ではなくチャンスを得ることすらできない者もいる。TV業界でなくともありそうな展開だ。

■ストーリー
2016年、アメリカニュース放送局で視聴率NO.1を誇る「FOXニュース」に激震が走った!クビを言い渡されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソンが、TV業界の帝王と崇められる同社CEOのロジャー・エイルズを告発したのだ。騒然とする局内。看板番組を背負う売れっ子キャスターのメーガン・ケリーは、自身の成功までの過程を振り返り心中穏やかではなくなっていた。一方、メインキャスターの座を狙う貪欲な若手のケイラ・ポスピシルは、ロジャーに直談判するための機会を得て―。

■感想
ベテランキャスターがクビを言い渡される。新陳代謝を活発にするためキャスターを変更することはよくあることだろう。グレッチェンはロジャーに対するセクハラの恨みをはらすため、1年かけて準備をしてロジャーをセクハラで訴える。

有名キャスターがTV局のCEOを訴えるのは衝撃的だ。もし、グレッチェンに続く者が出ない場合は、あっさりと握りつぶされグレッチェンは再就職できず終わるだろう。グレッチェンにどれだけ勝算があったのか。売れっ子キャスターのメーガンがグレッチェン側についたことで勝負は決まったような気がした。

セクハラされてでも仕事を手に入れたグレッチェンやメーガンに対して、これからキャスターの座を手に入れようと野心を燃やす若手のケイラがいる。ロジャーのセクハラに耐えて仕事を手に入れる。周りは当たり前のような雰囲気がある。

ロジャーに取り入って仕事を手に入れる者が大量にいるのだろう。ロジャーが訴えられたとしても、その証拠がない。そして、後ろめたいことをして仕事を手に入れた者たちは、自分の過去を否定されないため、ロジャーにセクハラはなかったと正当化しようとする。非常に複雑だ。

ラストの展開は衝撃的だ。グレッチェンはすべてを準備しており、ロジャーが全面否定したタイミングで録音を公にする。ロジャーのおかげで利益を得ていた株主のマードックは、ロジャーを切り捨てることを選択する。グレッチェンやメーガンから証言されたロジャーの最後はさみしいものだ。

最後の挨拶もできずFOX社としては厄介者としていち早くクビを切りたい存在となっている。この残酷さがアメリカなのだろう。キャスターにしても嫌ならすぐ辞めるというのが当たり前にある世界だ。

キャスターを演じる女優たちが豪華だ。



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