左様なら今晩は


 2023.5.23    見方を変えると地縛霊に取りつかれた男だ【左様なら今晩は】

                     
左様なら今晩は 豪華版 [ 久保史緒里 ]
評価:3

■ヒトコト感想
陽平の部屋には実は幽霊の愛助がいた。愛助が若くてかわいい女性ということだが、根本的に幽霊であるので陽平は戸惑うしかない。ラブコメ的な展開が続く。愛助は男と付き合ったことがないウブな女性。陽平と元カノとの同棲生活に憧れたりと幽霊らしくない一面がある。陽平と愛助のやりとりをほのぼのとした感じで描いているが、愛助が幽霊であることは間違いない。

陽平の後輩の女性が愛助を見て恐怖に取り乱したように愛助は恐怖の象徴だ。霊能者のおばさんが愛助を除霊?しようとする。客観的に見ると、陽平は地縛霊の女に取りつかれた危ない男に見えている。結局のところ愛助がどのようにして死んだのか不明だが、愛助の本名は判明したりもする。

■ストーリー
同棲していた恋人に振られた陽平(萩原利久)の部屋に、突如姿を現す幽霊の愛助(久保史緒里)。ずっと部屋に住む陽平のことを観察していたという愛助は、「優しいふりして面倒な事から逃げているから、恋人にも逃げられた」と、いきなり上から目線でダメ出しをする。かと思いきや、生きている間に恋愛を経験しなかった愛助は、男女が“付き合う”ことに興味津々で、陽平に質問攻めの毎日。

最初は煙たがり、何とかして愛助を除霊しようとする陽平だが、人間の女の子と変わらない愛助との時間に居心地の良さを感じ始める。一方、陽平に想いを寄せる同僚の果南(小野莉奈)は、陽平の身に起こる異変に気づき始め……?交わらない世界に生きる愛助と陽平に、ちょっぴり切なくてハートフルな運命が待ち受ける--。

■感想
どうやらマンガ原作らしい。陽平の住む部屋には可愛らしい女性の幽霊がいた。見た目だけでは普通の可愛い女性のように見える。壁を通り抜けたり食べ物を食べても、食品が減らないなどがある。こんなかわいい幽霊ならば大歓迎なのだが…。

ラブコメ風味なので、ポップな感じで明るい幽霊という感じだ。ただ、これがトーンを変えると女の幽霊に取りつかれた不幸な男といえなくもない。陽平の後輩女社員は陽平に気があり、飲み会帰りに陽平の部屋に押し掛けたのだが…。そこで幽霊を見て恐怖で飛び出してしまう。

陽平と愛助は良い感じになる。後輩女子のおばさんがおせっかいで部屋を除霊しにやってきて、愛助に出ていけという。確かに客観的に見ると女の幽霊にとりつかれた陽平を助けるためには、愛助が部屋をでていくしかない。陽平と愛助はまるで恋人のようにデートをする。

それが愛助の中での最後の陽平との思い出という考えだったのだろう。次の日には愛助は部屋から出て行ってしまう。愛助は無事に成仏したという感じなのかもしれない。

陽平は不動産屋で愛助の本名を聞くことに成功する。地縛霊に取りつかれた男が、その地縛霊は誰なのかと事故物件を知る不動産屋に話を聞く。これも客観的に見ると幽霊に取りつかれた男の異常行動のひとつとしてとらえられかねない。

もしかしたら幽霊に取りつかれた男としては、本作の陽平のように相手の幽霊がもすごく可愛らしい女の子と見えているのかもしれない。ラストでは愛助がいなくなった後に、愛助が行きたがった映画館に行ったりもする。そこで愛助の生まれ変わりが登場するのが良い。

ポップなラブコメだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp