三体3 死神永生 下【電子書籍】[ 劉 慈欣 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
三体の最終章。ついにこの壮大な物語が終焉を迎える。外部からの攻撃にさらされる状態となった人類。どのようにして防ぐのか。。。本作のすばらしさは、やはり誰もが想像しえないような展開を描くということだ。人類はどうなっていくのか。本作を読むと、宇宙の壮大さと時間の概念がバグるような壮大な流れのすさまじさを感じずにはいられない。ラストでは宇宙の成り立ちや宇宙がリセットされる話まで登場してくる。
強烈な物語であることは間違いない。この素晴らしさを表現するのはかなり難しい。誰も想像できない、これまでのSFの枠をはるかに超えた物語だ。宇宙人が地球に攻めてくる系の単純な物語かと思ったのだが…。すさまじい作品であることは間違いない。
■ストーリー
帰還命令にそむいて逃亡した地球連邦艦隊の宇宙戦艦〈藍色空間〉は、それを追う新造艦の〈万有引力〉とともに太陽系から離脱。茫漠たる宇宙空間で、高次元空間の名残りとおぼしき“四次元のかけら"に遭遇する。〈万有引力〉に乗り組む宇宙論研究者の関一帆は、その体験から、この宇宙の“巨大で暗い秘密"を看破する……。一方、程心(チェン・シン)は、雲天明(ユン・ティエンミン)にプレゼントされた星から巨額の資産を得ることに。
補佐役に志願した艾AA(アイ・エイエイ)のすすめで設立した新会社は、数年のうちに宇宙建設業界の巨大企業に成長。人工冬眠から目覚めた程心は、羅輯(ルオ・ジー)にかわる二代目の執剣者(ソードホルダー)に選出される。それは、地球文明と三体文明、二つの世界の命運をその手に握る立場だった……。
■感想
三体文明と人類の戦いは決着がついた。四次元のかけらが登場したりと、今までにない枠組みで物語が進んでいく。もはやこのレベルになると人類の寿命は200年を超えてきたりもする。三体世界は宇宙の狩猟者から攻撃され星が破壊されてしまう。
人類の太陽系は、いつ攻撃を加えられるかわらからない。普通のSFならば、敵の姿がはっきりと示され、強烈な兵器による攻撃や、人類の反撃が描かれるのだが…。そんな安易なレベルの物語ではない。かなり強烈な展開となる。
敵はこの広大な宇宙のどこかに存在する数億の知的生命体だ。姿は見えないが無限に近い敵が存在する宇宙空間。技術的にも人類の数億倍進化している。宇宙の成り立ちからすると、人類を基準に考えがちだが、人類よりもはるか昔から存在した知的生命体は、はるかに進化した技術をもっている。
人類が受けた攻撃は…。三次元をすべて二次元に吸い込んでしまう攻撃方法だ。止めるすべはない。吸い込むスピードは光の速さなので、光速の宇宙船がない限りは逃げ出すことができない。その事実を知り人類はあきらめてしまう。
結局、太陽系はすべて二次元となってしまう。わずかな生き残りの人類が、小宇宙での生活を選択する。驚きなのはそのあとだ。万有引力の生き残りたちが天川銀河人類として生き残っており、この宇宙の仕組みを解明しかけていた。
もともとの宇宙は10次元の世界であったが、激しい戦争により次元を減らす攻撃を受けたことにより宇宙の次元が現在の3次元になってしまった。4次元のかけらは、3次元化の攻撃を受けた際の、最後の4次元だったということだ。攻撃をした側は、二次元で生き残れるように体を改造したというのがさらにすさまじい。
リセットされるまでのしばらくは二次元の宇宙が続くということなのだろう。。すさまじい、想像を超えた世界だ。