三体 エピソード17,18


 2024.10.16     「主」の正体が明らかとなる【三体 エピソード17,18】


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評価:3

■ヒトコト感想
三体世界がどのようなものかは、おぼろげながら見えてくる。汪淼は葉文潔に会いに行き、そこで過去の話を聞く。ここで明確に地球外生命体の話がでてくる。ただ、今の段階では地球外生命体と連絡をとるのは、限りなく難しいことが説明されている。大空の中でハエの羽音を聞くようなことをひたすら続けているらしい。

地球外生命体と連絡を取り、技術的な跳躍を行うことを国家戦略としている。別ルートでは史強が上司に連絡し国家機密となっていた紅岸プロジェクトの秘密を入手しようとする。やっと地球外生命体の話が登場してくる。ここで汪淼が地球外生命体が三体惑星だと認識し、そこから人類としてどのような対策をするかが描かれるのだろう。かなり先の長い話だ。

■ストーリー
葉文潔と申玉菲を追い、史強と汪淼は海(ハイ)市行きの列車になんとか乗り込む。だが、いくら捜しても2人の姿はなかった。列車内で起きた殺人事件に妙なものを感じた史強は汪淼に葉文潔へ電話をかけさせるが、彼女はすでに電車を降り、車で若かりし頃に過ごした斉家(チージア)屯へ向かっているという。そんな彼女に汪淼は紅岸基地の案内を頼み、葉文潔もまた承諾するのだった。

そして一足先に斉家屯へ到着した葉文潔たちは、ある場所へと向かい…。雷志成の信頼を得て送信部から紅岸プロジェクトの要である監視部に異動した葉文潔だったが、彼女に対する厳しい制限は変わらず、情報へのアクセスもままならない。その上、新たに指導役となった楊衛寧はなぜか彼女に厳しくあたり、時に理解し難い行動を取るのだった。そんなある日、送信周波数を観察していた葉文潔は、不可解な現象に気づく。それは雷志成から聞かされていた紅岸プロジェクトの目的が真実ではないことを示していた。

■感想
かなりの長い時間をついやして、これまでは「主」としか明言されなかった存在が明らかとなる。恐らくだが、うっすらとは気づいていたのだろうが、明確に主の存在を地球外生命体と説明したのは初なのかもしれない。

ただ、今の段階では葉文潔が過去に地球外生命体へアクセスする国家機密のプロジェクトに携わっていたと語られるだけ。そして、地球外生命体にアクセスするのが、どれほど無謀な作業かというのがひたすら語られている。大空に飛ぶハエの羽音を聞き取るくらいに無謀な作業らしい。

前回で科学境界と葉文潔が実はつながっていたと判明した。さらには、科学境界内部で人類を滅亡させようとするグループと、三体組織を受け入れるグループ、そして対立するグループなどがあることが判明した。

それらのリーダーたちが総帥と呼ぶ人物が実は葉文潔だった。これまでは、汪淼に対して適切なアドバイスを行い、汪淼の味方のような雰囲気ではあったのだが、実は科学境界の総帥だった。そして、三体世界から2年近く連絡がないという驚きの告白も登場してくる。

まだ、400年後に三体艦隊が地球に攻め入るという言葉は登場してこない。自分たちの孫も死に絶えるようなはるか未来に三体艦隊が攻め入ってくる。今からその対策をしろという話なのだが…。このあたりが三体シリーズで一番面白い部分なのだが、30話までには描かれないのだろう。

半ばをすぎてやっと地球外生命体の存在がかすかに語られている。人類よりもはるかに高度な文明をもった地球外生命体に地球の位置を把握されたために、三体艦隊に攻め込まれることになる。

ここからさらに面白くなりそうだ。



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