老後の資金がありません!


 2023.5.10    老後の答えはシェアハウス?【老後の資金がありません!】

                     
老後の資金がありません! [ 天海祐希 ]
評価:3

■ヒトコト感想
老後を快適に過ごすためには2千万が必要と言われてきたが、実は4千万必要だとわかり焦りだす篤子。本作は老後に向けて貯金が必要なのにも関わらず、何かと出費がかさむことを嘆く作品だ。義理の父親の葬儀を盛大に行い、多大な出費を迫られる。義理の母親を同居させることで費用を削減しようとするのだが…。

義理の母親は何かと出費に無頓着で湯水のように金を使う。結局のところ貯金どころか、貯金はドンドン減っていくことになる。娘は結婚し夫は会社を首になる。まさに収入がなくなり出費ばかりかさむことになる。そんな状況に悲観しながらも篤子は前向きにすすむ。それらすべて老後に金が必要ということに対する回答としては、シェアハウスということになっている。

■ストーリー
主婦・後藤篤子(天海祐希)は、困っていた。家計は妻に任せきりの夫・章(松重豊)の給料と篤子がパートで稼いだお金をやりくりして、フリーターの娘・まゆみ(新川優愛)と、大学4年生の息子・勇人(瀬戸利樹)を育て上げた。節約をモットーに、自分に許した小さな贅沢と言えば、月謝5000円のヨガ教室程度。憧れのブランドバッグも我慢して、老後の資金をコツコツと貯めてきた……はずなのに!身の丈に合っていたはずの篤子の生活が、突如綻び始めたのだ。

入院していた舅の今際の際に、章の妹・志津子(若村麻由美)から喪主を押しつけられ、葬儀代400万円近くを支払うことに。折しも、密かに正社員登用を期待していたパート先をリストラ。なかなか次の仕事が見つからないところに、まゆみが結婚相手を連れて来た。年収150万円のバンドマン・琢磨(加藤諒)は、地方実業家の御曹司につき、芸能人御用達の式場での盛大な披露宴を希望しているという。

しかも費用は両家の折半で、最低でも300万円負担することに。700万近くあった貯金があっという間に底をついてしまいそうな、後藤家大不況の中、章の会社がまさかの倒産!? 住宅ローン完済の当てにしていた退職金は当然0円。結婚30周年目前、夫婦そろって失職するハメに。篤子の銭闘はなおも続く。

金銭感覚が麻痺しそうになりながらも、自動車の売却やレンタルモップの解約な+AT550遣いに、貯金はいよいよ0円が目の前に迫る勢いになってきた頃、今度はいきなり「生前葬をする」と言い出した!? ありとあらゆるお金の問題に振り回されてきた篤子の我慢は、ついにピークに達する!! 果たして篤子は、この絶体絶命のピンチを切り抜けることができるのか?!

■感想
家計を妻に任せっきりの夫である章は気楽なものだ。家計をまかされた篤子はひとりストレスをためている。老後の資金は最低でも2千万必要。まずは義理の父の葬儀費用を長男家族だからという理由ですべて面倒みることになる。葬式の香典でそれなりに相殺されるかと思いきや…。

赤字でドンドン貯金は減っていく。そんな段階で、娘のまゆみができちゃった結婚をする。相手方は盛大な式を想定しており、その費用問題が発生する。すべてにおいて金がない状態となる。追い打ちをかけるように章の会社が倒産し無収入となる。

これでもかというほど不幸な状況になる篤子。義理の母親の介護マンションの費用を削減させるため、同居することなるのだが…。この義理の母親が曲者だ。金を使うことに躊躇がない。生活レベルが高いので高い食材を買うことや、お茶するのに数千円をかけることに戸惑いはない。

すべてをカード払いにし口座に金がなくなると息子である章に金を振り込んでくれと依頼する。まさに傍若無人なふるまいで篤子のストレスは爆発する。追い打ちをかけるように義理の母親は生前葬をやると言い始め、遂に篤子はキレてしまう。

何かとトラブルがありながら、義理の母親は篤子たちと生活することを楽しんでいるようだ。本作のテーマとして老後の資金の話もあるが、老後をどのように過ごすかというのもある。金をかけて豪華な介護マンションでの生活は快適かもしれないが…。

資金面については、作中ではシェアハウスを答えとしている。老後にいろいろな人と共同生活することで逆に夫婦の関係もよくなるという流れなのだろう。確かに金が全てではないとしても…。この答えですべてが解決できるようには思えない。

老後の資金の不安はあるにせよ、みんな見ないようにしている気がする。



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