ルームロンダリング


 2023.9.9    明るくコミカルな心霊映画【ルームロンダリング】

                     
ルームロンダリング [ 池田エライザ ]
評価:3

■ヒトコト感想
自殺や殺人、事件が起きた部屋に住むことで、次に住む人には告知義務がなくなる。そんな怪しげなビジネスに加担しているのは八雲御子だ。伯父のビジネスは不動産関係の裏方。天蓋孤独の御子を引き取った伯父に面倒を見てもらう形となる。御子が霊を見ることができ、部屋に住み着いている霊と会話をする。御子が極度に人見知りで暗く会話をしない。

霊とは気兼ねなく会話し、この世に未練をもつ霊と交流する。売れないパンクロッカーが自殺した部屋や何者かに殺されたOLが住んでいた部屋。御子が違和感なく霊を見ていると、現実の人物と霊かは作中ではわからなくなる。霊が登場するがオカルトではなく、終始コメディの雰囲気が強い。

■ストーリー
5歳で父親と死別した八雲御子。翌年には母親も失踪してしまい、祖母に引き取られた御子だが、18歳になると祖母も亡くなり、天涯孤独となってしまった。しかし、祖母の葬式に母親の弟である雷土悟郎が現れ、住む場所とアルバイトを用意してくれた。その仕事とは、ワケあり物件に住み込んで事故の履歴を帳消しにし、次の住人を迎えるまでにクリーンな空き部屋へと浄化すること=“ルームロンダリング"。

引っ込み思案で人づき合いが苦手な御子にとって都合の良い仕事だったはずが、行く先々で待ち受けていたのは、幽霊となって部屋に居座る、この世に未練たらたらな元住人たち。ミュージシャンになる夢を諦めきれないパンクロッカーや見ず知らずの男に命を奪われ恨み節が止まらないOL、カニの扮装をした小学生! ?なぜか彼らの姿が見えてしまう御子は、そのお悩み相談に振り回されて…!?

■感想
母親が失踪し祖母に育てられ、その祖母が死んだタイミングで天涯孤独になった御子。そこに現れたのは怪しい風貌の伯父。御子は伯父の命令で様々な部屋に引っ越す。パンクロッカーが自殺した部屋では、さっそくロッカーに絡まれる。

この世に未練があるのは、作ったデモテープを音楽事務所に送らなかったこと。それを御子に依頼するのだが…。ロッカーが自殺したとはいえ、終始明るく前向きなのが良い。御子との絡みも悲壮感なく楽しそうなのが良い。この世に未練を残したように見えないのがポイントだろう。

次に御子が引っ越した先は、OLが殺害された部屋だった。殺されたことで現世に強い恨みをもつOL。御子は最初は戸惑うのだが、すぐに打ち解けてしまう。OLの恨みについてもオカルトの要素はない。どちらかというと明るくコミカルな雰囲気となっている。

その隣の部屋にはさわやかなアルバイトの男がおり、御子との交流が生まれる。人見知りの御子と奥手なアルバイト男。御子が霊を見えることは隠しており、そこからOLを殺害した犯人捜しがスタートする。

御子のキャラが秀逸だ。無口で暗い。霊とは気兼ねなく話をできるが、隣人とはなるべく関わりをもたにようにする。伯父が御子に協力的になり、OLの霊と会話をして犯人の似顔絵を描く。それを隣に住むアルバイト男が警察に知らせるのだが…。

ルームロンダリングの仕事をし続ける御子。霊が見える御子がその仕事をするのはかなりリスキーなのだが…。御子は母親に会いたい。実は伯父は母親と会っていた。ついに御子は生き別れた母親と会えたのだが…。

シックスセンス的なオチが良い。



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