ローカル・ヒーロー 夢に生きた男 [ バート・ランカスター ]
評価:3
■ヒトコト感想
かなり昔の作品だ。石油工場を作って大儲けしている会社のやり手営業マン。現地で土地を買収し、そこに新しい石油工場を作る。ターゲットとなるのはスコットランドのさびれた漁村だったのだが…。今では考えられないようなビジネスをしている。連絡手段は当然ながら電話しかない。エリートサラリーマンであるマッキンタイヤが漁村の入り江を買収しようとするのだが…。
現地の宿屋兼会計士のアーカートが村人たちの意見をまとめようとする。大金を手に入れて村から脱出したい者もいる。金をどれだけ吊り上げるかの交渉をしろという者もいる。マッキンタイヤが村での生活を続けるうちに、村の自然のすばらしさに気づき変化していくのがポイントだ。
■ストーリー
アメリカ・ヒューストンの大手石油会社に勤めるエリートサラリーマンのマッキンタイアは、石油コンビナート施設の建設予定地であるスコットランドのひなびた村に社命でやってくる。用地買収交渉は難航するかと思いきや村人たちは一攫千金の話に大乗り気。しかし海辺の小屋に暮らす老人ベンだけが唯一頑として首を縦に振らなかった。やがてマッキンタイアは、ちょっと変わった村人たちとの交流や美しい自然の中での日々を通して人生を見つめ直していく。
■感想
石油コンビナートの会社に勤務するエリートサラリーマンのマッキンタイヤ。数々の実績があるため、スコットランドの漁村の買収を行う業務を依頼されるのだが…。社長肝いりの仕事なのだが、少し様子がおかしい。スコットランドの田舎の漁村に行くことに躊躇するマッキンタイヤ。
電話だけで済まないのかと考えるのだが…。漁村では想像を絶する田舎具合に衝撃を受けるマッキンタイヤ。そこで村の会計士であるアーカードに村人の取りまとめを依頼したため、マッキンタイヤは暇になってしまう。
自然あふれる中で生活するマッキンタイヤ。いつのまにか漁村の自然に魅了されていく。ある日の夜に、夜空にオーロラが輝くのを見て感動するマッキンタイヤ。その感動を伝えるために電話から社長に電話したりもする。
自然あふれる村の上空に戦闘機が飛んでいたり、バイクが走ることを毛嫌いするマッキンタイヤ。最終的にはエリートサラリーマンの職をすべて捨ててよいので、アーカーマンと立場を変えてくれと懇願したりもする。高い年収や車をすべて捨てても移住したい何かがあるのだろう。
ラストでは、かたくなに土地を売ることを反対していた入り江に住む老人の説得が続く。ついにはへりで社長がやってきたりもする。入り江の老人以外は、みな金に目がくらんで土地を売ろうとする。石油コンビナートが完成したら、そこで働き口も用意するというのだが…。
入り江の老人は首を縦にふろうとしない。何度も何度も同じことを繰り返しているという。自然の価値や、人の価値観がどのように変化していくのかがポイントなのかもしれない。
時代を感じさせる流れだ。