2024.5.7 Xはすぐ近くにいる【隣人X】
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評価:3
■ヒトコト感想
この世界に人間とそっくりの姿をした惑星難民Xがいる。それをスクープするために笹はターゲットに張り込むのだが…。笹がゴシップ系週刊誌の記者として崖っぷちの状態で成果を上げようと必死になる。X疑惑のある良子をターゲットに近づいていく。Xの証拠を見つけ出すために良子へ近づき付き合うことになる。
そして、いつの間にか良子に本気で恋をしてしまう。良子が少し変わった子というのもあるが、Xがどのような生体かもわからない状態というのが難しいのだろう。良子との関係や、Xだと疑われるもう一人の台湾からの留学生が、日々差別を受けることなど。見た目ではわからない差別というのを根深く描いている。ラストではだれがXかが明らかとなるのだが、かなり衝撃的なオチだ。
■ストーリー
ある日、日本は故郷を追われた惑星難民 X の受け入れを発表した。人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだ X がどこで暮らしているのか、誰も知らない。X は誰なのか?彼らの目的は何なのか?人々は言葉にならない不安や恐怖を抱き、隣にいるかもしれないX を見つけ出そうと躍起になっている。週刊誌記者の笹は、スクープのため正体を隠して X 疑惑のある良子へ近づく。
ふたりは少しずつ距離を縮めていき、やがて笹の中に本当の恋心が芽生える。しかし、良子が X かもしれないという疑いを払拭できずにいた。良子への想いと本音を打ち明けられない罪悪感、記者としての矜持に引き裂かれる笹が最後に見つけた真実とは。嘘と謎だらけのふたりの関係は予想外の展開へ・・・!
■感想
Xは本人が自覚している場合もある、自分がXだと気づいていない場合もあるらしい。となると、良子自身が仮にXだとしても、良子がそれに気づいていない可能性もある。笹はスクープを手に入れろと編集長からプレッシャーをかけられ、強引な手段にでる。
序盤では笹は誠実に良子に近づこうとしている。どの段階でかはわからないが、笹は本当に良子に恋をしてしまう。序盤では間違いなく仕事として良子と付き合っていたはずだ。良子がつかみどころのないおっとりとした性格というのもXだと疑われるポイントだろう。
台湾からの留学生は、日本語がうまく話せないことで周りから虐げられることに苦しんでいた。単純にXかどうかの対比というよりは、見た目は変わらないのに、台湾人とわかると様々な差別を受けることの苦悩が描かれている。
誰がXなのかわからない。その状況で笹が追い込まれていくのがすさまじい。金がない。おばあちゃんの施設へ入院料を払う必要がある。スクープを手に入れれば金一分がでる。暴走した笹は、無茶なことに手を出す。まさか、恋人の父親がXだとスクープするのは、恋人との関係を捨てるのと同じだ。
結論から言うと、Xはこの世界のあちこちにいるということだ。本人自身も自分がXだと気づいていない。Xは特殊能力があるということだが、何もしらない者もいる。Xだということがばれると確かに世間からは差別されるかもしれない。
見た目は普通なのだが、差別される。それはまさに、日本にある様々な差別を暗喩しているのだろう。台湾からの留学生の苦悩が、Xの差別とダブるように描かれている。誰がXなのかというのが気になって最後まで一気に見てしまった。
この世界にはXのような存在が様々にあるのだろう。
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