ラスコーリニコフの日 


 2023.7.29      実際の事件を連想させる流れ 【ラスコーリニコフの日】

                     
ラスコーリニコフの日 / 佐々木敏
評価:3
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■ヒトコト感想
K国という書き方がされているが、明らかに北朝鮮をイメージしている作品だ。在日朝鮮人の日本帰化を防ぐことや、北朝鮮系企業のパチンコ店の利益が北朝鮮に渡っているなど盛り込み、さらには実際の事件をモチーフとした事件を描いている。プロのスナイパーが日本で事件を起こす。オウム真理教を思わせる展開を描きつつ、北朝鮮関係者が在日朝鮮人の帰化を妨害するための行動をとる。

さらには、日本の官僚には、北朝鮮の人物が偽物として入り込んでいる。本作はフィクションではあるが、一部事実の部分もあるのだろう。政治の中枢にいる人物が、偽物に入れかわっていた。異国から送り込まれたと知りつつ、政治的配慮から事件化しないなど、リアルすぎる展開が描かれている。

■ストーリー
日本では初めてのプロのスナイパーによる要人狙撃事件が発生。異国から送り込まれた刺客の、たった1発の銃弾に、警察上層部は凍り付いた。事件の真相を隠そうとする勢力と、それを許さない若き女性刑事。別件逮捕された正体不明の男をめぐる、前代未聞の法廷サスペンスが展開する。

■感想
序盤は北朝鮮のスナイパーが日本人になりすます過程が描かれている。家族のいる日本人になりすますためにはどうするのか。妻を心身喪失状態として日本人になりすます。北朝鮮の経済状況から、日本の在日朝鮮人の祖国への献金が大きな役割を果たしている。

噂では北朝鮮系列のパチンコ店の大量の利益が北朝鮮の軍隊維持のために使われているらしい。北朝鮮がテロ国家と判明すると在日朝鮮人が日本へ帰化する。となると献金がなくなるため、帰化を妨害する勢力がうごめている。

要人が狙撃される。それは在日朝鮮人の帰化政策を防ぐための警告なのだが…。作中では、政府の要人が北朝鮮系列から支援を受けたために当選したという流れがある。そのために、在日朝鮮人からの支援を受けるために北朝鮮がテロ国家であることを公にしないような動きがある。

それは、オウム真理教の実際の事件を思わせる流れがある。物語としては、実はオウム真理教の裏には北朝鮮がいた。北朝鮮の支援の元に日本でテロ行為を続けていたという流れとなっている。信じられないような展開だ。

作者の想像が入っているのだろうが、実際の事件をモチーフにしており、その裏では北朝鮮がいたという流れになっている。それが公にならないのは、北朝鮮から支援を受けてきた政治家がもみ消したという流れになっている。

さらには警察官僚すらも、北朝鮮のなりすましにより、都合の良いように捜査されていた。作中ではなりすました朝鮮人は、それなりに良心があり在日朝鮮人が帰化することを推奨するような、本国からの指令に反発するような描かれ方をしているのだが…。

実際の事件をモチーフにしているのは強烈すぎる。



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