落下の解剖学


 2024.12.1    不快なヒステリーおばさんの言い訳【落下の解剖学】


                     
落下の解剖学 [ ジュスティーヌ・トリエ ]
評価:3

■ヒトコト感想
ベストセラー作家であり殺人容疑をかけられた妻サンドラの言い訳の言葉が耳につく作品だ。ある雪山の山荘で男が転落死した。状況的には自殺は考えられず、山荘にいたのは男と妻のサンドラのみ。サンドラは夫の殺害の容疑で逮捕され裁判にかけられるのだが…。息子が視覚障碍者であるため当時の状況の説明に様々な変化がある。

サンドラは夫を殺害したのか、それとも自殺なのか。本作のピークは事件の前日に行われたサンドラと夫の夫婦喧嘩がすべて録音されており、それが裁判の場で披露される場面だ。非常にイライラがつのる。サンドラのひたすら言い訳と叫び声が続いていく。この長尺なヒステリーおばさんの叫びは見ていて不快でしかなかった。

■ストーリー
人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラに殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。証人や検事により、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ<真実>が現れるが―。

■感想
雪山でベストセラー作家のサンドラと、夫で小説家の男。そして、11歳の視覚障害のある息子との3人暮らしだ。ある日、夫が二階から転落し死亡した。事故なのか殺人なのか。殺人であれば山荘にいたのは妻のサンドラだけなので、必然的にサンドラが疑われることになる。

サンドラは友人の弁護士に弁護を頼むのだが…。状況証拠だけではサンドラが殺害した可能性が高い。物語はサンドラが逮捕され裁判にかけられる部分がメインなのだろう。視覚障害の息子の証言がポイントとなる。

印象的なのはサンドラのヒステリックな物言いだ。何かにつけて人をイラつかせる話し方をする。裁判の後半では事故の前日に行われたサンドラと夫の夫婦喧嘩が長尺で流される。それはひたすら夫婦喧嘩を見せられているだけでとても気分が悪くなる。

サンドラは正論を吐きながらも、自分の都合の良いように論点をずらしている。夫が怒るのも無理がない。夫の怒りをいなし、さも自分が常識人のように夫に対して冷静に答えるサンドラはめちゃくちゃ感じ悪い。この場面を長く見せられるのが耐え切れなかった。

ラストでは息子がある一つの出来事を思い出す。それがどの程度裁判に影響を及ぼしたのかは不明だが…。最後までサンドラが有罪か無罪かはわからないまま進んでいく。ひとまずは裁判の結果はでる。そのあとまだ時間が残っていたので、ここから大どんでん返しがあるのでは?と思ったのだが何も起きなかった。

結局、ひたすら夫婦喧嘩を見せられ、サンドラの嫌な部分ばかりが目についた作品だった。最後に結論じみたことが描かれているがすっきりする終わりではない。

不快になる作品だ。



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