雷神 


 2022.10.17      過去の毒キノコ鍋事件の真相が明らかに 【雷神】

                     
雷神 道尾秀介
評価:2.5
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■ヒトコト感想
過去、村で起きた衝撃的な毒殺事件の真相をめぐる物語。かなり複雑ですんなりと理解することはできない。自分の父親がキノコ鍋に毒キノコを入れて町の有力者をふたり殺害した。父親がどのような状況で殺人を起こしたのか。その後、姉と共に雷に打たれたりと、アクシデントが起こる。

成長し、大人となり娘ができる。自分の妻が事故死した原因として、娘への影響を懸念したりもする。主人公の幸人を中心として物語は動いていく。過去の父親との関係や毒キノコ事件の真相などを探る物語となっている。自分の父親が噂通り犯人なのか。それとも別の犯人がいるのか。幸人が身分を偽り30年前の出来事を探しだそうとする。そこから事件の真相が明らかとなる。

■ストーリー
埼玉で小料理屋を営む藤原幸人のもとにかかってきた一本の脅迫電話。それが惨劇の始まりだった。昭和の終わり、藤原家に降りかかった「母の不審死」と「毒殺事件」。真相を解き明かすべく、幸人は姉の亜沙実らとともに、30年の時を経て、因習残る故郷へと潜入調査を試みる。すべては、19歳の一人娘・夕見を守るために……。なぜ、母は死んだのか。父は本当に「罪」を犯したのか。

村の伝統祭〈神鳴講〉が行われたあの日、事件の発端となった一筋の雷撃。後に世間を震撼させる一通の手紙。父が生涯隠し続けた一枚の写真。そして、現代で繰り広げられる新たな悲劇――。ささいな善意と隠された悪意。決して交わるはずのなかった運命が交錯するとき、怒涛のクライマックスが訪れる。

■感想
村で起きた衝撃的な事件。それなりにインパクトがあるのは間違いない。母親が不審な死を遂げた。その原因と思われる村の有力者4人に対して、何者かが毒キノコ汁を飲ませていた。2人が死亡し2人は重傷を負った。父親が毒キノコ鍋の犯人と思われる展開となる。

幸人としては父親が犯人ではないと信じており、それを明確にするために動き出すことになる。毒キノコ事件はそれなりにインパクトがあるのは間違いない。その先にあるのは、ちょっとしたミステリアスな展開だ。

父親が犯人だと告発した者は、自分が傍観したということに耐え切れず自殺した。かなり入り組んだ物語ではあるが、ミステリー的なトリックはシンプルだ。告発を受けた手紙を父親が受け取り、それを改変して残していた。

父親が残した手紙からは父親が犯人としか思えない内容であったが、実は一文字変えるだけで大きく意味が異なる内容だった。父親は誰かをかばい、あえて自分が犯人となるように告発の手紙を書き替えていた。その内容は、実はたいしたトリックではない。

ラストは手紙の改編の理由と、真犯人が明らかとなる。30年も前の事件の真相が明らかとなり、現代にも影響する。一時的に記憶を無くしていた姉は、再び雷を間近で経験することですべてを思い出すことになる。

強烈なインパクトはないのだが、手紙の類はよく見てなんとなくだが気づいてしまった。ありきたりな展開なのかもしれない。過去の事件を今さら調査するというのは、どのようなインパクトがあるのか。すべては終わったこととして終わらせることができれば良いのだが…。結局は寝た子を起こした感じになっている。

手紙のトリックの下りはすぐにわかった。



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