PUSH 光と闇の能力者


 2023.7.19    超能力のバリエーションが豊富【PUSH 光と闇の能力者】

                     
PUSH 光と闇の能力者/クリス・エヴァンス,カミーラ・ベル,ダコタ・ファニング,ポール・マクギガン
評価:2.5

■ヒトコト感想
超能力者たちの戦い。国家管理された能力者と組織から抜け出した能力者の戦い。国家側、逃げた側、そしてマフィアに所属する能力者の三つ巴の戦いとなっている。本作のポイントは能力者のバリエーションだろう。定番としてモノを動かしたり銃弾をはじいたりする物理的な能力。未来を、絵を描くことで予知する能力。モノの臭いをかいで使用者の場所を探る能力。

最も強烈なのは、相手の目を見て、相手の記憶を書き換える能力だ。襲ってきた敵たちに記憶を植え付け味方にする。男に恋人と思い込ませ守らせる。まさになんでもありな能力だ。政府機関から脱出したキラを探すことと、謎のスーツケースを取り合う争いとなっている。マフィア所属の能力者がわかりやすく粗暴なのが良い。

■ストーリー
国家によって育成されてきた特殊能力者たち。念動力のニック(クリス・エヴァンス)もその一人。ある日、ニックのもとにウォッチャー<未来予知力>のキャシー(ダコタ・ファニング)が現れ、能力者たちを監視する謎の政府機関“ディビジョン”から脱出したキラ(カミーラ・ベル)という女性を探し出すのを手伝って欲しいと頼まれるのだが…

■感想
ニックの能力は俗にいうわかりやす超能力だ。モノを動かしたり銃弾をはじいたり。父親の遺言でキラを探し出すことになるのだが…。キラは組織から抜け出す。キラ目を見た瞬間に相手の記憶に植え付けディビジョンの追っ手同士を仲間割れさせたりもする。

一方、ニックはマフィアの能力者に狙われ、スーツケースを探し出すことになる。マフィアの能力者は大声を出して相手の脳を破壊するという、限定的な能力の奴が強い。未来を絵により予知する女がニックの頭の中を覗き込んでいる。

ニックはキラを見つけ出すことに成功するのだが…。キラが実はニックの過去の恋人だとわかる。そこからニックはキラを助け、ディビジョンと対決することになる。主人公がヒロインを助ける典型的な物語となるかと思いきや…。

本作のポイントは能力だ。それも相手の記憶を操作することが可能なので…。実はキラはそもそもディビジョンのエージェントで記憶を失っていただけ。本来はニックと敵対する立場であり、ニックが恋人と思い込んでいたのはキラの能力のためだった。かなりのどんでん返しが続く。

ディビジョンの親玉も記憶を操作する能力がある。ニックと同じく念動力を使うディビジョンの男はすさまじい。四方八方から銃弾が飛んでくるが、それらをすべて腕をかざしてバリアのようにして銃弾を防いでいる。ただ、最終的にはマフィアの能力者の大声でやられているのが皮肉だ

キラはキラで襲いかかるマフィアの手下たちをすべて仲間にしてあっという間に周りに銃をもった手下の壁を作り対抗している。もはやなんでもありな戦いとなっている。

能力のバリエーションが本作の肝だ。



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