ピエロがお前を嘲笑う


 2024.6.8    超天才的なハッキング能力【ピエロがお前を嘲笑う】


                     
ピエロがお前を嘲笑う
評価:3

■ヒトコト感想
天才ハッカーのベンジャミンを描いた作品。ハッキングの結果として殺人事件までもが発生し、国際指名手配されたベンジャミン。学校でいじめられ目立たないオタクであったベンジャミン。ハッキング能力を発揮し自分の存在意義を確立する。野心家のマックスと出会ったベンジャミンは、仲間を手に入れソーシャルハッキングを駆使して破壊活動を行うハッカー集団CLAYを立ち上げるのだが…。

国内のハッキングシステムを手当たり次第にハッキングし有名となる。本作のポイントは、ハッキングの入り口は必ず現実の世界でのソーシャルハッキングを使うということだ。ゴミとして出されたハガキから人間関係を解析し、知り合いのふりをしてメールを送りかわいい子猫の写真をクリックさせそのパソコンを乗っ取る。鮮やかな手順だ。

■ストーリー
警察に出頭した天才ハッカー・ベンヤミン(トム・シリング)。世間を騒がせ殺人事件にまで関与を疑われ国際指名手配をされた。そのベンヤミンが自ら語りだした――学校では苛められ冴えないベンヤミン。ピザ屋のバイトでも馬鹿にされ、想いを寄せているマリ(ハンナー・ヘルツシュプルンク)にもまともにアプローチもできない。そのマリのために試験問題をハッキングして手にいれようとしたベンヤミンだったが捕まってしまう。

前歴がなかったため社会奉仕活動を命じられ、そこで野心家のマックス(エリアス・ムバレク)と知り合う。2人にはハッキングという共通の趣味が合った。マックスはベンヤミンの天才的な才能を見抜き、マックスの友人たちを交えて、破壊活動を行うハッカー集団“CLAY(クレイ)"を結成する。国内の管理システムを手当たり次第ハッキングを仕掛け、世間を混乱させ注目を集める。そしてクレイはライバルハッカー集団を挑発し、ついにはその正体を暴いてみせる。

さらにドイツ連邦情報局へもハッキングを仕掛け、有頂天になっていたベンヤミンたちだったが、ベンヤミンの仕掛けた不用意なハッキングがきっかけで殺人事件が発生してしまう。ついにユーロポール(欧州刑事警察機構)の捜査が入り、ベンヤミンたち自身が危険にさらされることになり、自ら出頭することにしたのだった。しかしベンヤミンの自供はつじつまが合わない。翻弄される捜査官たち。果たしてどこまでが真実なのか。彼の真の目的とは――。

■感想
いじめられていた目立たないオタクが天才的なハッキング能力を発揮する。そのハッキングのレベルがすさまじい。どうやっているのかわからないが、ハッキングをして周辺を停電させたりもする。機械語をそのまま翻訳して機械語を書き込みプログラムを誤動作させているのだろうか。。。

ハッカー集団のCLAYとして有名になるのだが、世間的に有名なハッカーは複数存在する。その中で一番となり、他のハッカーたちを見返すためにエスカレートしていく。

ライバルのハッカー集団を挑発したり、ドイツの連邦情報局に入り込み、局員の情報を奪い取ってしまう。ここまでやるとそれがきっかけとして犯罪も発生する。手に入れた局員の情報を別のハッカーに渡したことで殺人事件が発生する。

一躍危険な存在となってしまったCLAY。ドイツ当局からも狙われるのだが…。ここで別のハッカーに騙され、自分たちの位置がまるわかりとなる仕組みを使わされてしまう。それによりベンジャミンは追われることになるのだが…。

冒頭から警察に出頭したベンジャミンの告白の形で物語は進んでいく。ここでベンジャミンは今まで犯した自分の犯罪をすべて告白するのだが…。実は仲間と思っていたマックスたちは、ベンジャミン自身の別人格でベンジャミンの中には4人の人格がいたことになる。

それにより証人保護プログラムはご破算となるのだが…。ここでもかなりのどんでん返しなのだが、ラストではさらに大きな大どんでん返しがある。ひとつのどんでん返しで終わらない、さらに上を行く仕掛けがあるのが良い。

ラストの展開はかなり強烈だ。



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