2023.4.15 ペットショップの実情は強烈すぎる 【ペットショップ無惨 池袋ウエストゲートパーク18】
ペットショップ無惨 池袋ウエストゲートパーク108 [ 石田衣良 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
池袋ウエストゲートパークシリーズ第18弾。毎回世間で話題のトピックを交えた物語としている。今回はヤングケアラーや外国人労働者、そしてペットショップやマッチングアプリだ。どれも昔から存在していたが、名前が微妙に変わっている。ヤングケアラーの定義は微妙だが…。それらすべてにマコトといつものGボーイズとタカシが関わってくる。
シリーズ中ではマコトもタカシも年齢は変わらないが、時代だけが変化していく。その歪感を認識させず新しい題材を取り入れている。多少、ワンパターン化されているが、題材が新しいので読んでいて楽しい。本作で最も衝撃を受けたのは表題作でもあるペットショップの実情だ。うっすらと知ってはいたが、やはり衝撃的だ。
■ストーリー
動物の命を犠牲にする大人たちに、マコトの怒りが爆発するヤングケアラー、外国人労働者、マッチングアプリ…いま池袋で起こっているトラブルにマコトが立ち上がる。大人気シリーズ第18弾。
■感想
ヤングケアラーは、少女が祖母の介護をしたことで疲れ切っているという流れだ。恐らくは昔からこの手の若くして介護している子はいたのだろう。最近になってニュースなどで話題となったために題材に選ばれたのかもしれない。
中身は、疲れ切った少女が半グレに絡まれており、それをマコトが助け、最終的にはGボーイズとタカシの力により解決するという流れだ。定番化されたシリーズなので、またか、という思いがある。Gボーイズとタカシが出てきた瞬間に解決への道筋が見えてしまっている。
マッチングアプリの物語は割とシンプルだ。ただ、この手の出会い系は昔からあるので、新鮮さはない。それでも登場してくる女性が軽度の知的障害があり、それを男たちが利用している、という流れは新しい。最近になり軽度の知的障害がある女性が騙されAVに出演だとかのニュースはある。
日常生活は問題なくできるが、軽度の知的障害があるので相手の言いなりになってしまう。それを知りながら利用する男たちの極悪さが際立つ作品だろう。最終的にタカシが登場し解決するのはいつものことだ。
ペットショップ無惨は強烈だ。売れ残ったペットがショップを通じて廃棄される。公的な機関としてペットを処分する施設がある。結局はペットショップで可愛いペットを買うという需要があるので、ペットを量産し売れ残り成長してしまった犬や猫が廃棄されることになる。
残酷だ。子供のうちに客に見初められなければ殺されるということだ。これを人間に置き換えると…。ペットショップにディスプレイされる子犬や子猫たち。この方式も海外では禁止の方向にあるらしい。日本もいずれそうなるのだろう。
時代を繁栄するシリーズだ。
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