パトリオット


 2022.5.25      横一列に並んで銃を撃ち合う潔い戦い方【パトリオット】

                     
パトリオット コレクターズ・エディション
評価:3

■ヒトコト感想
時代は南北戦争よりも前なのだろうか。アメリカでイギリス軍と戦うことになるベンジャミン。序盤は、7人の子どもに囲まれた幸せな父親というイメージのベンジャミン。それが過去には軍隊で勇敢ね兵士として名をはせてきたというのが伝わってくる。新たにイギリス軍が攻め入ってくる。息子は血気盛んで兵士に志願するのだが…。

ベンジャミンは戦いを避けようとする。ここで親子の断絶がある。父親からすると危険な戦争に息子を送り出すことに否定的なのは当然だろう。イギリス軍の勢いにおされ、ベンジャミンの家は焼かれてしまう。戦争の恐怖というか、敵対する軍からするといち市民であっても敵にあたるのだろう。息子を殺された怒りをイギリス軍との戦いに向けるベンジャミンの物語だ。

■ストーリー
長きに渡った戦争が終結し、有能かつ残虐な兵士であり戦争のヒーローだったベンジャミン・マーチンは今や7人の子供の父親となった。暴力とは無縁の平穏な生活を送っていたが、やがて独立戦争が始まりイギリス軍がアメリカに侵入してきた。平和主義を貫くベンジャミンはかつて同士だったイギリス軍との戦いに乗り気ではなく、長男ガブリエルの参戦に苦い顔をみせる。

■感想
かつての戦争のヒーローが、家族をもうけ、子供たちと幸せに暮らしていたのだが…。かつて同士だったイギリス軍との戦争が迫っている。ベンジャミンだけが頑なにイギリス軍との戦争に否定的だ。周りの勢いは圧倒的に戦争に傾いている。

息子からしても、父親が怖気づいたと考えてしまう。ベンジャミンは戦争の悲惨さを知るだけに、平和を第一に考える。息子が兵士に志願し戦争へと向かう。父親からすると不安でしかない。かつてのヒーローも人の子ということだろう。

兵士たちの戦いの描写が続く。驚きなのは、「バリーリンドン」でも感じたのだが、戦い方がかなり潔いというか、危険きわまりないと感じた。横一列に並んでゆっくりと行進していく。体を守るわけでおなく、走って敵に向かっていくわけでもない。

そして、一列に止まると合図で銃を構えて一斉に撃つ。それを敵味方が交互に繰り返す。当然ながら、相手も撃ってくるのでモロに銃弾を受け兵士たちは倒れていく。恐怖感というのはないのだろうか。無策でただ撃ち合っているようにしか見えない。

息子はイギリス軍に殺されてしまう。怒りのベンジャミンは民兵を率いてイギリス軍に戦いを挑む。寄せ集めの軍隊でありながら、ベンジャミンの策略でイギリスの正規軍に勝利してしまう。規則正しい戦い方の中に、ある意味卑怯とも思えるようなベンジャミンの戦い方で勝利している。

ただ、結局はその戦いの余波で、市民の家は焼かれ、家族が殺されたりもする。結局は戦争することで誰も得はしない。それでも世間の流れから逆らうことはできないのだろう。

戦いの描写は強烈なインパクトがある。



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