パラレル 多次元世界


 2024.3.12    鏡を抜けると、そこには別次元の世界があった【パラレル 多次元世界】


                     
パラレル 多次元世界 [ アムル・アミーン ]
評価:3

■ヒトコト感想
シャアハウスには秘密の屋根裏部屋があった。そこには謎の鏡があり、別次元の世界へとつながる通路だった。秀逸なのは、この別次元は鏡に入るたびに別の世界となっている部分だ。そして、時間が180倍のスピードですすんでいる。ドラゴンボールでいうところの「精神と時の部屋」のような感じで、別次元の世界で何日もアプリ開発を進めたとしても、現実の世界では数時間しかたっていないことになる。

とんでもない速度でアプリを作り上げ、成功するのだが…。メインは別のところにある。別次元では微妙に世界が異なっており、発明や芸術は現代とは異なるものが出回っている。それを利用し、現実世界で芸術や発明で成功しようとする者もいる。ラストは悲惨な結末となるのが、因果応報という感じだ。

■ストーリー
シェアハウスで暮らすノエル、ジョシュ、デヴィン、リーナの4人はアプリ開発で一攫千金を狙っていた。だが売り込みに行った企業から出された条件は数日でアプリを完成させろという不可能なもの。時間が足りないと焦る4人だったが、シェアハウスで秘密の屋根裏部屋を発見。そこには大きな鏡があり、触れるとなんと身体が鏡面へ吸い込まれた。

思い切って鏡の中へ飛び込むとそこには同じような世界が広がっていて、その世界の自分たちが存在していた!並行する別次元の世界〈パラレルワールド〉。何度もチャレンジするうちに別次元世界の時間のスピードが違うことに気付いた4人は、それを利用してビジネスを成功させるが、野心はそこでは収まらず、4人は暴走していく―

■感想
鏡を抜けると、そこには多次元の世界があった。現実とほぼ同じ世界であり、時間だけが遅い世界。この多次元の世界をどう使うのか。序盤では時間が自由に使えるということで、多次元世界で仕事をして1週間時間を過ごしても、元の世界では数時間というメリットを生かした使い方をしている。

ただ、それだけでは飽き足らず、時間の経過が早いということでロトくじのあたりを多次元世界で見てから、現実で同じ数字を買おうとしたのだが…。まったく同じ世界ではないのがポイントだ。

多次元世界では、現実では存在しない発明品や芸術にあふれている。いろいろな多次元世界に行き、そこではやっているものをパクって現実世界で芸術家として成功する。このパターンは新しいかもしれない。ただ、その過程で様々な問題が発生し…。

メンバーの一人が多次元世界で銃撃を受けて死んでしまう。現実世界に死体を持ち帰ったのだが…。ここで、とんでもない選択をする。仲間が死んだのを隠すために、多次元世界から何も知らない多次元の仲間を現実世界につれてくるのだった。。

強烈なインパクトがあるのは、仲間が次々と多次元世界の人物に代えられることだ。真相を知るのは二人のみ。仲間割れから、最後は殺し合いに発展する。謎の鏡は角度をそろえないと多次元へはいけない。角度を少しでも動かすと普通の鏡に戻ってしまう。

ラストは非常に残酷な終わり方となる。本作を見た誰もが思うことなのだろうが、自分がもしこの鏡を手にしたら、何に使うのだろうか。時間を有効に使えるというのは良いのかもしれないが…。使い方が難しい。

多次元というのが良い。



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