パーム・スプリングス


 2022.12.25     ひたすら同じ日を繰り返す【パーム・スプリングス】

                     
パーム・スプリングス [ クリスティン・ミリオティ ]
評価:3

■ヒトコト感想
彼女の友達の結婚式に参加するナイルズ。妹の結婚式に参加するサラ。幸せムード満点の、砂漠のリゾート地での結婚式。そんな日をひたすらループすることになるふたり。一瞬考えたのは、常に楽しい毎日をループするので幸せなのでは?と思ったのだが…。よく考えれば地獄だ。

どんな行動をとったとしてもその日が終わると、目が覚めるとベッドの上で同じ日を過ごす。事故で死んだとしても、目を覚ます。何をやっても同じ日を繰り返すとなると、人はどうでもよくなるのだろう。唯一の救いは、記憶は蓄積されるということだ。先にループを経験しているナイルズが何千回と同じ日を過ごしていると知りショックを受けるサラが強烈に印象的だ。

■ストーリー
舞台は砂漠のリゾート地、パーム・スプリングス。妹の結婚式で幸せムードに馴染めずにいたサラは、一見お調子者だが全てを見通したようなナイルズに興味を抱く。いい雰囲気になる2人だが、謎の老人が突如ナイルズを襲撃に! 負傷したナイルズは近くの奇妙な洞窟へ逃げ込んでいく。ナイルズの制止を聞かずサラも洞窟に入ってしまい、一度眠りに落ちると結婚式の日の朝にリセットされる“タイムループ"に閉じ込められてしまった!

しかもナイルズはすでにループにハマっていて、数え切れないほど同じ日を繰り返しているという。2人で過ごす無限の今日は最高に楽しいものに思えたが、明日がこない日々は本当に大切なものを気づかせていく。果たして2人は、永遠に続く時間の迷宮から抜け出し、未来を掴むことができるのか! ?

■感想
幸せに満ちた日をひたすら繰り返すのは幸せなのか。常に同じ日を繰り返す。それが結婚式のパーティであれば、楽しいのでは?と思うのだが…。何千回と同じ日を繰り返すとなると、話が変わってくる。何をしても次の日には同じ朝を迎えてしまう。

どんな悪さをしても、誰をナンパしSEXをしたとしても変わることはない。ナイルズは実験として赤道直下まで飛行機で移動したようだが、それでも次の瞬間にはベッドの上で目が覚めたようだ。もはや一生囚われの身となり死ぬこともできない地獄となっている。

好きなだけSEXし男とやったりもする。その日にやれることをすべてやりつくしてしまうと、どうなるのか。決して老いることもなく死ぬこともできない。サラがこのループに入り込むと、サラは懸命にループから脱出するための行動をとるのだが…。

ナイルズは諦めきっているが、サラはまだバイタリティがある。地獄に引き入れたナイルズを恨む思いもあるのだろうが。このループの中での唯一の救いは、記憶は残るということだ。つまり永遠の命と時間を手に入れたのと同じだ。

サラはバイタリティにあふれているので、量子物理学を勉強し自分たちがおかれた状況を分析しようとする。確かに時間は無限にあるので、どんなことでもやれるかもしれない。ナイルズはこの考えには至らなかったのだろうか。自分の知識をつけるということは可能なので、もしかしたらループをすることの唯一のメリットかもしれない。

もしかしたらナイルズはどれだけ勉強したとしても、それを活かせる環境がないということで諦めていたのか。。。

ラストのプールにぷかぷかと浮かびながらリゾートを楽しむ場面は秀逸だ。



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